マーケットプレビュー-ECBの見解でユーロ下落、米第2四半期GDP発表

投稿日: 2018年7月27日17時58分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

外国為替市場: 昨日のUSセッションで大幅に上昇した米ドルインデックスは、本日には大きな動きは見られませんでした。昨日の米ドルインデックス急騰の背景には、ECB政策後のユーロ急落がありました。

株式市場: 昨日の米株式市場は強弱混合の結果となりました。フェイスブックの株価が18.96%下落したことにより、ナスダック指数が1.01%下落しました。S&P総合500種は、0.30%の下落でした。一方、ダウ工業株30種は0.44%の上昇でした。本日の米主要株価先物指数は、若干上昇してのオープンを示しています。

アジア株式市場も強弱混合の結果となりました。日経平均株価とトピックスが上昇したものの、香港株式市場は僅かに下落しました。

欧州市場に関しては、主要株価先物指数が上昇してのオープンを示しています。

コモディティ: 本日の原油価格は若干下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は、それぞれ0.23%と0.11%上昇しました。昨夜、豪メディアが、翌月初めにも米国がイランの核施設を攻撃する用意があると報道したものの、市場の反応は殆ど見られませんでした。

本日のゴールドは0.08%上昇し、1244ドルを僅かに上回る水準で推移していました。昨日、米ドルが回復したことにより、ゴールドは大幅に下落しました。

主要な動き: ドラギ総裁による不明確な利上げ時期でユーロ安

昨日に最大に注目を集めたECB政策会合では、フォワードガイダンスにおいては新たな材料が提供されなかったものの、ユーロ相場を動かしました。記者会見では、ドラギECB総裁が、賃金上昇が継続する中、ECBは引き続きポジティブなインフレ見通しを維持していると述べたことにより、ユーロは一時上昇しました。しかしながら、その後、ECBメンバーが政策金利は2019年夏まで据え置かれる模様と発言したことにより、ユーロは記者会見による上昇幅を全て解消しただけでなく、一段と下落しました。

ドラギ総裁は利上げには依然として不透明な要素ある為、次回利上げの時期はまだ明確になっていないことを示しました。政策会合前の2019年9月の利上げの可能性は70%となっていたものの、政策会合後には58%まで低下していました。

ユーロ安と米長期国債利回り上昇により、米ドルは大きく回復しました。本日発表される米第2四半期GDPの強い結果が期待される中、米金利政策が他国の金利政策よりも魅力的となり、米10年債利回りは2.97%まで上昇しました。

本日も円高は継続し、円は対米ドル、ユーロ、及びポンドで上昇しました。円高の背景には、翌週に控える日銀の政策会合でのタカ派的路線変更への期待があります。

昨日、トランプ大統領がツイッター上で、クーデター未遂事件に関わったとして2年間拘束されている米人牧師をトルコが解放しない限り、トルコに対して「大規模な制裁」を発動する考えを明らかにしました。これにより、トルコリラが下落しました。

本日これからの市場: 米第2四半期GDPに注目

GMT1230には、米第2四半期GDP・速報値が発表されます。今回は、前回結果の前年比2.0%増に対して、2014年第3四半期以来の前年比4.1%増が予想されています。FF金利先物によると、年内あと1回の利上げは完全に織り込まれています。年内あと2回の利上げの可能性は、66%となっています。GDPが予想を上回る結果となった場合、年内あと2回の利上げ観測が上昇し、その結果、米ドルが上昇するでしょう。同時刻には、米第2四半期コアPCE価格も発表されます。

米7月ミシガン大消費者信頼感指数も発表され、前月結果の98.2から97.1への鈍化が予想されています。

本日にはメキシコのグアハルド経済相の訪米が終了する為、NAFTA交渉の進展が注目されるでしょう。

GMT1700に発表されるベーカーヒューズ社のリグ稼働数は、市場の注目を集めるでしょう。

テクニカル分析: USDJPYは短期的保ち合い相場の兆し

USDJPYは木曜日に約3週ぶり安値110.58円付近まで下落後、回復しましたが、再度下落しました。RSIは現在の所、横ばい推移となっており、短期的保ち合い相場の兆しとなっています。

米GDPが予想を上回る結果となった場合、USDJPYは上昇するでしょう。20日平均線上の111.08円を上抜けた場合、ボリンジャーバンド上部の111.44円を試す展開となるでしょう。その上には、100日平均線上の111.61円と50日平均線上の111.78円が控えています。

米GDPが予想を下回る結果となった場合、ボリンジャーバンドの下部110.72付近がサポートゾーンになるでしょう。この付近には、昨日に記録した3週ぶり安値110.58円も控えています。一段と下落した場合、110円割れも視野に入るでしょう。