ヨーロピアンオープンプレビュー-FRBの慎重姿勢で米ドル下落

投稿日: 2019年1月10日午前7時24分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FRBが利上げに慎重姿勢を示した後、米ドル急落;本日の複数のFOMCメンバーの発言に注目
  • ユーロ上昇;GMT1230ECB議事録に注目
  • カナダ中銀は政策金利の据え置き決定、追加利上げの余地を残す
  • 中国は通商協議に楽観的観測を示すものの、米主要株価先物指数は下落

FOMCメンバーの発言で米ドル下落、FOMC議事録発表後に一段安

昨日の外国為替市場で最も大きく動いた通貨は、米ドルでした。米ドルは、FOMC議事録発表前から急落し、全面安となりました。シカゴ連銀のエヴァンス総裁と、アトランタ連銀のボスティック総裁が慎重な姿勢を見せ、FRBは次回利上げ前に、今後の経済指標結果を見極めるべきとの見解を示した後、米ドルが下落し始めました。その数時間後に発表されたFOMC議事録では、物価上昇圧力が脆弱な中、多くのFOMCメンバーが追加利上げを慎重に待つべきとの考えを持っていること明らかになりました。

FOMC議事録の全体的なメッセージとして、先週にパウエル議長が示唆したように、FRBは市場の懸念を考慮し、今後の経済指標が非常に強い結果にならない限り、利上げを急がない方針が示されました。その結果として、2019年の利上げ観測一段と後退した為、米ドルが下落し、米株価が上昇しました。FRBの利上げ方針の転換を受けて、米ドル買いの圧力が弱まり、特に今後貿易摩擦が後退した場合には、米ドル安が継続する可能性があります。

本日には、複数のFOMCメンバーの発言が控えています。パウエル議長(GMT1745)、クラリダ副議長(GMT2350)、リッチモンド連銀のバーキン総裁(GMT1335)、セントルイス連銀のバラード総裁(GMT1730)、シカゴ連銀のエヴァンス総裁(GMT1800)、及びミネアポリス連銀のカシュカリ総裁(GMT1820)の発言が予定されています。

ユーロは米ドル安で上昇、ECB議事録発表待ち

米ドル安の恩恵を主に受けた通貨はユーロで、ユーロ/ドルは3か月ぶり高値まで上昇しました。本日、市場の最大の関心は、GMT1230に発表される12月のECB政策会合の議事録に向けられるでしょう。経済見通しに関して、ECBメンバーがドラギ総裁よりも強い懸念を持っているかを市場は見極めようとするでしょう。最近のユーロ圏経済指標の結果に一段の脆弱性が見られるようになった為、次回のECB政策会合でのトーンがよりハト派的に移行する可能性も注目されるでしょう。

ECBのこのようなシグナルはユーロ安の要因になりますが、最近のユーロはネガティブなニュースにも底堅く推移していることから、ユーロの下落幅は限定的となる可能性があります。市場は今年度のFRBによる利上げの可能性を完全に排除しつつある一方で、ECBによる利上げの可能性は根強く残っています。米国とユーロ圏の金利差がユーロにとって有利に縮小する中、最近のユーロ/ドルは底堅い推移を継続しています。

カナダ中銀の見解は予想ほどハト派的にはならず、カナダドルの方向性定まらず

昨日、市場の予想通り、カナダ中央銀行は政策金利の据え置きを発表しました。しかしながら、カナダ中央銀行は追加利上げの可能性にも言及し、市場の予想ほどの慎重な見解は見られませんでした。カナダ中央銀行は多くの政策において慎重な姿勢を維持していますが、利上げを停止する姿勢は見せませんでした。ドル/カナダドル下落の要因は、米ドル安の可能性があります。例えば、サウジアラビアが減産量増加を示唆した後、原油価格が急騰したにも関わらず、カナダドルは対ユーロで下落しました。

中国側が通商協議での進展を公表したにも関わらず、株価先物指数は下落

本日、中国商務省は、米国と中国が協議進展に前向きだった為、協議終了日程が一日延期されたことを公表しました。これにより、市場では貿易問題解決への期待が高まりました。しかしながら、本日のアジア株式市場は強弱混合の動きとなりました。米主要株価先物指数は、大幅に下落してのオープンを示しています。株価下落の背景には、双方の主張に依然として隔たりがあること、及び今月のダボス会議にトランプ大統領が欠席するニュースが報じられたことがあります。ダボス会議では、トランプ大統領と中国の副国家主席との会談の可能性が報じられていました。