デイリーマーケットコメントー貿易摩擦再燃で再び円高、総選挙の可能性にかかわらず、ユーロとポンド安定

投稿日: 2019年8月9日午前6時29分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • ファーウェイへの規制が緩和されず、再度リスクオフの流れに
  • 安全資産上昇、株価下落
  • イタリアと英国での総選挙の可能性にもかかわらず、ユーロとポンドは安定推移

貿易問題のリスク再浮上で、リスクオフの流れ復活

昨日、米企業がファーウェイとのビジネス再開の決定を先送りしているとブルームバーグが報じました。これにより、貿易摩擦が再度浮上し、市場の流れはリスクオフになりました。G20サミットでの米中首脳会談では、貿易戦争停戦の為に、トランプ大統領がファーウェイへの規制緩和に合意しました。

ファーウェイとのビジネス再開先送りは、トランプ大統領による中国輸出品への10%の追加関税の決定を受けて、中国側が米農産物の購買を停止した後に決定されました。

今回のニュースは、貿易摩擦の継続を浮き彫りにしました。昨日の中国の貿易関連指標の強い結果と、人民元回復により、リスクオンに傾いた市場は、本日は再度リスクオフになりました。

円とゴールド上昇、株価下落

円やスイスフラン等の安全資産は上昇しました。ドル/円は再度106円台を割り込み、ドル/スイスフランは、より緩やかな下落となり、0.9741スイスフランで取引されました。日第2四半期GDPの強い結果は、日銀による早期緩和政策の必要性を後退させ、円高の要因にもなりました。ゴールドも再度上昇に転じ、水曜日に記録した5年ぶり高値1510ドルを目指して上昇しています。

中国7月生産者物価指数の予想よりも大幅な下落が経済減速への懸念を浮上させ、米企業のファーウェイとのビジネス再開先送り決定も受けて、中国株式市場は下落しました。中国主要株価指数の終値は、約1%下落しました。一方の日経平均株価は、昨日のS&P500の1.9%の上昇を受けて、前日比プラス圏での動きとなりました。

しかしながら、欧州と米国の主要株価先物指数は下落してのオープンを示し、本日の市場は概ねリスクオフムードになることを浮き彫りにしています。

欧州では、秋に総選挙の可能性

イタリアと英国での政治的透明感が上昇する可能性が浮上したにもかかわらず、ユーロとポンドは安定して推移しました。昨日、イタリアの副首相であり、反移民政党「同盟」の党首であるサルビーニ氏は、早期総選挙を呼びかけました。これにより、ポピュリスト連立政権内の緊張が上昇しました。政権が反移民政党「同盟」で占められた場合、EUとの対立が深まる可能性があります。しかしながら、いつどのように総選挙に持ち込まれるかは依然として不透明です。そのため、市場はまだ反応しておらず、ユーロ/ドルは最近のレンジ幅内である1.12ドル付近で推移しています。

ポンドも政治情勢に大きな反応を見せませんでした。ジョンソン英首相は、夏季休暇後に内閣不信任案が提出された場合、EU離脱の翌日となる11月1日を総選挙日に設定することを明らかにしました。

GMT0830には、英第2四半期GDPが発表されます。その他に注目される経済指標は、GMT1230に発表される米7月卸売物価指数、及びカナダ7月雇用統計になるでしょう。