デイリーマーケットコメントーECB政策会合に注目、リスクオフ再燃で円高

投稿日: 2020年1月23日午前8時57分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • ECBは政策金利据え置きの見通し―下振れリスクは若干回復の兆し
  • カナダ中銀による利下げ示唆で、カナダドル急落
  • ウイルス感染の拡大防止のための武漢市の封鎖で、円上昇
  • 経済指標の強い結果が利下げ観測を後退させ、ポンドと豪ドルが上昇

ECB政策会合: 政策金利据え置き、しかしハト派寄り見解にはならない模様

本日の市場の最大の関心は、GMT1245に終了するECB政策会合に向けられるでしょう。今回の政策会合では、政策金利の据え置きが予想されています。そのため、ユーロの値動きは、GMT1330に予定されているラガルド総裁の記者会見次第となるでしょう。

過去数月間は、ユーロ圏経済に回復の兆しが見えつつあります。英国のEU離脱や貿易戦争のリスクが後退しつつあることも影響し、最近発表されたPMI指数では、経済減速から経済成長の安定に転じたことが浮き彫りになりました。コアのインフレにも、緩やかながらも回復が見られました。

経済成長の安定は、経済成長と同じではありません。経済成長は鈍化していないものの、まだ非常に低い水準での安定のため、楽観するには時期尚早です。一方、製造業には依然として鈍化が見られます。米国が欧州輸入車への関税を検討している為、状況は改善する前に、悪化する可能性もあります。

このような状況から、本日の政策会合では、現行の政策、及びトーンも維持される模様です。もし変更があった場合、経済指標結果が若干の改善が見られ、世界的リスクも減少したことから、ポジティブ寄りへの変更となるでしょう。ECBは明確、且つ実質的な改善が見られない限りは政策を変更しない見通しの為、ポジティブ寄りへの変更があっても、ユーロの上昇幅は緩やかになるでしょう。

明日に発表されるユーロ圏1月PMIは、今後のユーロ相場を見極めるために、注視されるでしょう。

カナダ中銀が利下げ示唆、カナダドル急落

昨日、カナダ中央銀行は政策金利の据え置きを発表しました。しかしがら、市場を驚かせたのは、よりハト派的トーンへの変更でした。カナダ中央銀行は、経済成長が当初の予定よりも鈍化していることを強調し、状況が改善しない場合は、利下げの用意があることを明らかにしました。これを受けて、カナダドルは急落し、本日も下落基調が継続しています。

現在、4月までの利下げの可能性は50%となっており、10月までの利下げが完全に織り込まれ、より現実的な数値となっています。明日に発表されるカナダ11月小売売上高は、カナダドルのリスク材料になるでしょう。昨日に、カナダ中央銀行が消費の鈍化の見通しについて言及したことから、本指標結果は利下げ観測の判断材料になるでしょう。

中国が武漢市閉鎖、リスク回避の流れ加速

本日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、武漢市当局が公共交通機関の一時閉鎖を発表しました。このニュースを受けて、アジア株式市場は全面安となりました。中国のCSI300は3%以上下落しました。しかしながら、株価下落には、中国の旧正月による投資家の手仕舞いの影響もあります。

投資家が、新型ウイルスによる旧正月中の消費や第1四半期GDPへの想定外の影響を見極めようとする中、リスク回避の為に、安全資産の円が買われました。

印象的なのは、米株式市場が市場のリスクオフムードに反応していないことです。本日のS&P500の主要先物指数は、昨日の同水準でのオープンを示しています。

経済指標の強い結果で、ポンドと豪ドル上昇

昨日に発表された英1月CBI製造業受注指数の上昇を受けて、翌週の政策会合での利下げの可能性が最大55%までに低下し、ポンドが急騰しました。利下げの可能性を見極めるために、明日の英PMI指数はより大きな注目を集めるでしょう。

本日に発表された豪12月雇用統計は、市場予想を上回る結果となり、2月利下げ観測を後退させました。