デイリーマーケットコメントー米ドル再び下落、株価下落、しかしハイテク関連株は堅調

投稿日: 2020年7月31日午前8時32分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米経済回復鈍化で米ドル下落、財政の壁に直面の可能性
  • ユーロ、ポンド、豪ドルは一段高、しかしながら市場は円高には懐疑的姿勢
  • 欧州、及びアジア株式市場は下落、米ハイテク関連株上昇でナスダック指数上昇

今月の米ドルは10年ぶりの低調な結果

米経済、及び政治的不透明感が上昇する一方で、他国の見通しに改善が見られるため、米ドルは約10年ぶり低調な結果で今月の取引を終了する見通しです。米第2四半期GDPは、前年比32.9%減で、史上最大の下げ幅となりました。米GDP結果は、欧州の結果を若干上回りました。しかしながら、欧州圏経済は回復に向かいつつあるものの、米経済回復には鈍化の兆しが見られます。したがって、現在の所、米ドルの見通しは悪化しつつあります。

米週次新規失業保険申請数の2週連続での増加は、FRBによる米経済回復鈍化への懸念を裏付けることになりました。したがって、追加の刺激策実施は、ほぼ確実になるでしょう。緩和政策の長期化の見通しにより、長期国債利回りは3月の水準まで低下し、米ドルを押し下げました。

米議会での協議難航も、米ドルの懸念材料になっています。財政の崖を回避する方法として、週600ドルの失業給付特例加算の給付額を削減して延長する案もありますが、共和党と民主党は同意していません。

米国内の先行き不透明感上昇に加え、トランプ大統領は郵便投票の信頼性に懸念を示し、11月の大統領選挙の延期を提案しました。共和党は、即座にトランプ大統領の提案に反対を表明しました。しかしながら、トランプ大統領の発言は、11月の大統領選挙でトランプ大統領が負けた場合、異議を唱える懸念を浮上させました。

ユーロとポンド上昇;円高継続

本日、ユーロとポンドは上昇幅を拡大させ、対米ドルで約6%上昇して今月の取引を終える見通しです。豪ドルとNZドルも上昇しました。原油価格の上昇が一服し、米国内の先行き不透明感が上昇した為、カナダドルも大幅に下落しました。カナダの最大の貿易相手国は、米国です。

米国内での感染が拡大する一方で、欧州では経済再開が米国よりもスムーズに進んでいるようです。欧州内の複数の国では、第2波の懸念が大きくなっていますが、米国や他の地域にみられるような感染拡大に欧州は直面しないと市場は見なしているようです。

市場は、オーストラリア国内の感染拡大にあまり動揺していないようです。本日に発表された中国製造業PMIの予想を上回る結果を受けて、豪ドルは上昇しました。経済的ダメージにより、市場は全国的な閉鎖措置の可能性は織り込んでおらず、様々な安全対策を講じて経済活動を継続すると見なしているようです。

日本も、オーストラリアと同様に感染者数が増加しています。円への懸念は、日本政府への為替介入の可能性です。本日、日政府と日銀は臨時会合を開催し、対米ドルでの円高進行について協議しました。これをうけて、ドル/円は下落しました。

ハイテク関連株が株価を下支え

昨日に発表されたアップル、アマゾン、アルファベット、及びフェイスブックの企業決算結果は、市場予想を全て上回りました。好調な結果を受けて、ハイテク関連株が上昇し、Eミニ先物ナスダック指数は、直近で0.9%値上がりしていました。S&P 500先物指数は、僅か0.25%上昇してスタートした為、他分野の株価は上昇していない模様です。

昨日の欧州株式市場は、低調な決算結果により、大幅に下落しましたが、本日には回復ムードとなっています。

本日には、決算を発表する米企業は多くはありません。したがって、市場の関心は、米6月個人所得、及び米6月個人消費支出に向けられるでしょう。