デイリーマーケットコメントー国債利回り低下で米ドル下落、ゴールド最高値更新

投稿日: 2020年8月5日午前6時53分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米国債利回り低下で米ドル下落
  • 米ドル安と米国債利回り低下で、ゴールドは2000ドル台乗せで最高値更新
  • 米議会での協議進展で、株価上昇
  • 債券市場は見通し悪化を示し、株式市場は材料視せずに上昇継続

米国債利回り低下が米ドルの回復阻止

今週の市場は今の所、荒い値動きとなり、夏の間のひと時の静かな市場を期待していたトレーダーにとっては、期待外れになったようです。火曜日の株式市場は、慎重ムードでのスタートとなり、安全資産の米ドルは下げ幅の一部を回復しました。その後、北米の取引時間の前半には、米ドルは下落に転じました。

民主党のシューマー上院院内総務が、追加経済対策の協議が遂に進展し始めたと発言したことにより、米ドルが下落に転じました。多くの投資家が米ドルの下落を望んでいた為、米ドルが下落すると、株式市場が上昇し始めました。

米国債の利回り低下も、米ドル安の流れを加速させました。米3年債、5年債、及び10年債の利回りは、低水準まで低下して引けました。国債利回り低下により、米ドルは金利差という唯一の利点を失うことになり、米ドルの魅力は一段と低下しました。

異なる市場から異なるシグナル

総じて、今後の見通しは非常に困難になっています。債券市場が、経済回復への警告シグナルを発している為、FRBは一段の刺激策を長期的に実施する必要性に迫られるでしょう。最近の値動きから、イールドカーブコントロールが市場心理を反映する可能性もあります。

しかしながら、利回りが低下すれば、債券の魅力も低下する為、アセットマネージャーがリターンを求めて、株式等のリスク資産を購入する可能性があります。つまり、企業の好調な業績ではなく、異なった要因によって、株価が上昇することになります。しかしながら、経済の基盤が脆弱な時期の為、FRBは市場への流動性の供給を継続する必要があるでしょう。

昨日、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、新型コロナウイルスの感染拡大は、当初の想定よりも長引くため、米経済はより多くの支援が長期的に必要となる見解を示しました。

国債利回り低下で、ゴールドは2000ドル台乗せ

金利の低下、米ドル安、及び先行き不透明感の上昇は、ゴールド高の要因になります。昨日、ゴールドは史上最高値の2000ドル越えを達成しました。ゴールドは一段と上昇幅を拡大し、不思議なことに、ゴールド高が阻止されませんでした。

通常、急伸後には若干押し戻されることがあります。しかしながら、押し目買いを狙う投資が多いことから、ゴールド高は継続し、新型コロナウイルスの感染拡大のニュースもゴールド価格を押し上げているようです。

テクニカル指標上では、買われすぎの状況により、下落のシグナルが示される可能性があります。しかしながら、ファンダメンタルズ要因では、下落の兆しは見られません。ゴールドにとって最悪のシナリオとなる、ワクチンの早期開発の場合でも、急落にはならない模様です。更に、ワクチンは米ドルにとって下落要因となる可能性がある為、ゴールドは底堅く推移するでしょう。

失業率改善でNZドル上昇、明日のNZ中銀の政策会合に注目

NZ第2四半期失業率が予想外に低下した為、NZドルは若干上昇しました。しかしながら、失業者が就労対象者と見なされなかったことが、失業率改善に繋がったようです。

翌週にはニュージーランド準備銀行の政策会合が予定されています。前回の政策会合では、NZドル高に懸念が示された為、今回の政策会合では、NZドル高を牽制する可能性があります。

本日、市場の注目は、米7月ADP全国雇用者数に向けられるでしょう。ADP全国雇用者は、米非農業部門雇用者数の先行指標として見なされる傾向があります。7月の経済回復のスピード鈍化が懸念される中、米7月ISM非製造業景況指数にも注目が集まるでしょう。更に、米議会での協議も引き続き注視されるでしょう。