デイリーマーケットコメントー米雇用統計発表前に、米政権の決定で地政学リスク上昇

投稿日: 2020年8月7日午前8時18分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米議会での協議に加え、米雇用統計に注目
  • トランプ大統領が対中強硬姿勢を再開、テサント社との取引禁止、及び中国企業での上昇廃止法案への検討
  • 地政学リスク上昇で米ドルが堅調推移、米株式市場は5日連続での上昇見通し

最も予測が困難な非農業部門雇用者数の発表

本日のメインイベントは、米雇用統計になります。米7月非農業部門雇用者数は160万人増、失業率は11.1%から10.5%への改善が予想されています。7月の経済回復鈍化の兆しを考慮すると、非農業部門雇用者数の予想が高い水準になっていることが疑問視されています。

高い水準となった要因として、まず非農業部門雇用者数の調査が毎月2週目に実施されることが考えられます。例えば、2週目に失業した場合、2週目以前は就業していた為、就業者として計上されます。二つ目の要因は、季節的調整です。通常、教職員や学校職員は6月や7月で就業を終えますが、今年は通常よりも早くに就業を終えた為、今月の非農業部門雇用者数の予想を上昇させた可能性があります。

したがって、非農業部門雇用者数の大幅な下落は考慮されていないようですが、予想を下回る可能性も十分に考えられます。米国勢調査局によると、6月中旬から7月中旬までの失業者数は670万人となっています。殆どの失業者が7月に職を失ったため、非農業部門雇用者数として計上されています。

米7月ADP全国雇用者、及びISMの就業状況の項目結果でも、雇用者数の減少が浮き彫りになっています。様々な要因から考慮すると、非農業部門雇用者数は好調な結果となるものの、予想を下回る可能性があります。予想を下回る結果となった場合、米ドルが下落するでしょう。しかしながら、悲観的観測は十分に織り込み済みの為、下げ幅は限定的となる見通しです。

最近の非農業部門雇用者数の結果は、米ドルのボラティリティを短期的に上昇させたにすぎませんでした。市場は結果に一時的に反応したものの、市場の反応は長くは継続しませんでした。

トランプ大統領が対中強硬姿勢を再開

昨日、トランプ政権はWeChatを運営するIT企業テサントとの取引禁止を決定しました。更に、トランプ政権は、中国企業が米国の監査基準を満たさない場合、米株式市場での上昇を廃止する法改正に向けて動いています。

「ハイテク戦争」の継続により、市場は中国の報復措置待ちです。市場は緩やかなリスクオフの流れとなり、安全資産の需要増加で、米ドルが上昇しました。5日連続で上昇し、最高値を僅か1%下回る水準まで上昇していたS&P500のEミニ先物は、本日には若干下落してのオープンを示しています。

昨日、ナスダック指数は1.0%値上がりし、最高値を更新しました。フェイスブックの株価が6.5%、アップルの株価が3.5%が値上がりが、ナスダック指数を押し上げました。

カナダ雇用統計、追加関税、米議会での協議に注目

昨日、米国はカナダからのアルミニウム輸入に10%の追加関税を決定しました。これにより、カナダドルが下落しました。GMT1500には、カナダ政府による報復措置発表が予定されていますが、その前にカナダ7月雇用統計が発表されます。

市場の関心は、米議会での協議に向けられています。米議会の協議に進展がない場合、トランプ大統領は経済危機回避の為に、大統領令を発令する方針を示しています。

本日、ゴールドが史上最高値を更新しました。一方で、トルコリラが史上最安値を更新しました。