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・鉄鋼・アルミニウムに対してトランプ関税発動、次はEUへの関税か
・強弱混合の米経済データにより、FRBの利下げ観測後退
・米ドルは上昇、リスク選好度は依然として脆弱のまま
・ゴールドは最高値更新、原油価格はサポート探し
トランプ大統領は貿易戦争再開
トランプ大統領が、ウクライナとロシア間の終戦締結に向けての協議を一時的に停止して、週末に「アメリカ・ファースト」のアジェンダを推進したため、トランプ関税の動向が再度注目されています。カナダとメキシコへの関税は1か月延期され、トランプ大統領が「勝利」宣言を行った後、本日から米国に輸入される鉄鋼・アルミニウムに対して追加で25%の新たな関税を課すと発表しました。
大統領はまた「報復関税」として、VATおよび、または輸入税の不均衡を対象とすることも言及しました。例として、EU諸国は米国からの輸入品に対して、米国がEU諸国からの輸入品に課する税率よりも高いVATを課しています。
市場は常にトランプ関税の次のターゲットがEUであることを認識していました。EUは既にこのトランプ関税に 輸入税の引き下げを提案することで解決策を生み出す準備ができているようです。同時に、退任が迫るドイツのショルツ首相が、トランプ関税関連の発表に早急に対応できると予想外の対抗意識を示唆しています。しかし、不思議なことに、トランプ大統領の要求に迅速に屈するのは、現段階ではEUにとっては最善な戦略の選択肢ではないかもしれません。
米経済データは引き続き堅調
一方、先週金曜日の米経済データは強弱まちまちの結果となりました。米株価指数は、12月の雇用者数が上方修正となった堅調な非農業部門雇用者数と失業率の低下、また好調な賃金の伸びに前向きの反応を示したようです。米雇用統計は、引き続き堅調な米経済を反映しており、潜在的な貿易戦争から影響されていないようです。しかし、ミシガン大学消費者信頼感指数、特に1年先のインフレ期待が4.3%に上昇したことで、前向きなセンチメントには打撃となりました。
今週の水曜日は、1月の米CPI指数の発表が注目となるでしょう。トランプ大統領は利下げを要求しており、FRBパウエル議長がFOMC会合にて金利を据え置きとしたことに批判的ですが、好調な米経済には満足しています。大統領は、堅調な経済と金利緩和政策が同時には進行しないことにようやく気が付くかもしれません。
米ドル上昇、株式市場は均衡状態
これらの進展の中、米ドルはユーロに対しての週次損失分の拡大が一段落し、現在1.0320で推移しています。一方で、ユーロはポンドに対して引き続き下落しています。先週の米株式市場は強弱まちまちとなり、欧州株価指数のパフォーマンスは下回り、ナスダック100指数のみが黒字で週の取引を終えました。中国のCPI指数が予想を上回ったことで、アジアの株価指数のセンチメントは若干改善しましたが、米市場開場後もこのセンチメントが継続するかが注目となるでしょう。
ゴールドは依然として上昇基調、原油価格の今後は不透明
トランプ大統領によるウクライナ・ロシア紛争への和平計画が非公式に発表されましたが、ゴールドの需要には打撃になりませんでした。ゴールドは現在2,894ドルで取引され、高値を更新しており、またトランプ関税への懸念と今後の米インフレの加速が示唆される米経済データからも恩恵を受けています。ゴールドの次の大台は2,900ドルとなりますが、不透明な環境の中、この上昇が調整となる可能性もあります。
反対に、原油価格の見通しは現時点では複雑な局面を迎えています。米国によるEUと中国に対する貿易戦争が本格化する場合、間違いなく世界経済成長の打撃となるため、原油への需要は既に後退しています。しかし、トランプ大統領が関税に強固な姿勢を見せ、ウクライナ・ロシア紛争がトランプ大統領の目標であるイースター休暇までに終結する場合、原油価格の弱気圧力が強まる可能性があります。