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外国為替市場: 週末中のシリアへの攻撃には大きな反応が見られず、本日の米ドルインデックスは下落したものの、下げ幅は0.1%未満でした。
株式市場: 先週金曜日の米株式市場は下落して引けたものの、本日には回復が見られる模様です。ダウ工業株30種、及びナスダック指数は0.5%下落し、S&P総合500種は0.3%下落しました。シリア攻撃にも関わらず、米主要株価先物指数は本日は上昇してのオープンを示しています。市場のポジティブな勢いが継続した要因は、シリアへの攻撃がピンポイントでの攻撃で、沈静化が予測されている為です。
アジア株式市場では、日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.26%と0.40%上昇しました。香港株式市場は1.6%下落しました。
欧州市場に関しては、主要株価先物指数が上昇して推移しています。
コモディティ:シリア攻撃が米露対立に発展しない兆候が、中東での原油供給懸念を緩和させ、本日の原油価格は下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は、それぞれ0.8%と0.9%下落しました。シリアの情勢が落ち着くと、地政学リスク緩和により、市場の関心は再び米原油生産に向けられるため、原油価格の上値は重くなるでしょう。先週金曜日にベーカーヒューズ社が発表したリグ稼働数には、再び大幅な上昇が見られ、米原油生産増加が明らかとなりました。
シリア攻撃にも関わらず、ゴールド価格は約0.2%下落しました。シリア情勢において、米露対立が回避される憶測が、市場の全体的な落ち着きの要因となっています。

主要な動き: シリア情勢緊迫化の見通しがない為、市場は大きな反応示さず
トランプ大統領が示唆したように、日曜日に、米国、英国、及びフランスがシリアの化学兵器施設にミサイル攻撃を行いました。興味深いのは、本日の市場の反応が限定的であったことです。リスク逃避先資産の反応は、強弱混合でした。円は大幅に上昇したものの、ゴールド価格は0.2%下落しました。米株式市場に関しては、主要株価先物指数が上昇してのオープンを示していることから、地政学リスクによる影響は見られません。
市場の落ち着いた反応は、シリア情勢が一段と緊迫しないことを憶測しているためでしょう。先週、ロシア側がシリアめがけて飛んでくる米国のミサイルは撃ち落とすと公表したことにより、米露軍事衝突の懸念が浮上し、市場はリスクオフムードになりました。日曜日の攻撃後、米国と英国は今回の攻撃が「一度きり」の攻撃であり、長引く攻撃ではないとの明確なサインを示しました。これにより、ロシアとの衝突への懸念が緩和されました。トランプ大統領はツイッター上で、「任務完了」とコメントしました。英国のボリス・ジョンソン外相は、英国は情勢の深刻化を望んでおらず、攻撃目的は「メッセージを送る」ことだったと発言しました。
しかしながら、現在の状況は「困難を脱した」わけではありません。ロシア側は攻撃に対してまだ反応を示していません。一方の米国側は、本日にロシアに対しての新たな制裁を公表する準備をしています。
より重要なことは、米中貿易問題が新たな章に入ったことです。今週、トランプ政権が中国に対して新たな関税を公表する予定であるとメディアが報道しました。中国側が対抗措置を行う可能性が高く、今後数日間は再びリスク回避の動きが強まる可能性があるでしょう。しかしながら、協議による貿易問題解決の可能性が完全に排除されたわけではありません。
外国為替市場には大きな動きがありませんでした。ユーロとポンドは対米ドルで上昇しました。豪ドルとNZドルは強弱混合の動きとなりました。豪ドル/ドルは0.1%上昇し、NZドル/ドルは約0.1%下落しました。
本日これからの市場: 米小売売上高、シリア情勢、及び貿易問題進展に注目
本日は、米国から複数の経済指標が発表され、特に米小売売上高には注視されるでしょう。
GMT1230には、米3月小売売上高が発表されます。3か月連続での低下後、今回は上昇が予想されており、前月比0.4%増になる見込みです。先週発表された3月の政策会合での議事録でも明らかなように、FRBは米国の消費を懸念しており、本日の指標結果がFRBの懸念を緩和させるかに注目が集まるでしょう。自動車等を除くコアでの小売売上高は、GDPの消費と緊密に関連しており、市場は注視するでしょう。
GMT1230には、米4月NY連銀製造業景況指数、及び米3月リテールコントロールも発表されます。GMT1400には、米2月企業在庫、及び米4月NAHB住宅市場指数が発表されます。
株式市場に関しては、本日に四半期決算を発表する米企業には、バンク・オブ・アメリカ、及びネットフリックスも含まれます。株式市場の全体的な流れは、貿易問題の進展、及びシリア情勢に影響されるでしょう。また、この2つのリスク材料は、外国為替市場の値動きにも影響するでしょう。
本日には、複数の政策担当者の発言が控えています。GMT1400には、ダラス連銀のカプラン総裁が質疑応答セッションに参加予定です。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、「大きすぎてつぶせない金融機関」について発言します。カプラン総裁も、カシュカリ総裁も本年度のFOMCで投票権を持っていません。GMT1715には、FOMCで投票権を持つ、アトランタ連銀のボスティック総裁が米経済と地方市場のトレンドについての講演を行います。

テクニカル分析: USDJPYは2か月ぶり高値から下落、超短期的に下落相場の兆し
USDJPY は先週金曜日に2か月ぶり高値107.77円まで上昇後、下落しました。短期的相場の見通しを示すRSIは、買われ過ぎ水準付近まで近づいた後、下落に転じました。ストキャスティックでは、%Kが%Dを下抜け、超短期的に弱気相場を示しています。しかしながら、%Kが下げ止まっていることから、超短期的に相場転換の初期兆候の可能性があります。
本日発表される米小売売上高が予想を上回る結果となった場合、USDJPYは上昇するでしょう。この場合、先週記録した2か月ぶり高値107.77円付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。この付近には、108円台も控えています。107.77円を下回る最近の高値(107.29円と107.48円)も、レジスタンスとして機能する可能性があります。
一方、米小売売上高の予想を下回る結果となった場合、USDJPYは下落するでしょう。この場合、50日平均線上の107.05円付近がサポートゾーンになるでしょう。この付近には、107円台も含まれます。
地政学リスク、及び貿易問題の不透明感上昇も、USDJPYを動かす要因となるでしょう。