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外国為替市場: 本日のアジアセッションでの米ドルは、木曜日の高値からの下げ幅を拡大させ、全面安となりました。米ドル安の背景には、急騰後の調整の動き、及びトランプ大統領による利上げ政策の批判があります。人民元も下落し、USD/CNYは一時6.80人民元を上抜け、その後値下がりしました。
株式市場: 昨日の米株式市場は下落しました。アジア市場の開始時には株安の流れが引き継がれたものの、その後に多数の市場では上昇に転じました。貿易問題への根強い懸念が人民元の下落を引き起こし、アジア株式市場では懸念要素となっています。
昨日に大きな動きがなかった欧州株式市場では、本日には約0.1から0.2%低下してのオープンが示されています。
コモディティ: 米ドル安の流れを受けて、ゴールドは昨日に記録した1年ぶり安値1215ドルから回復しました。
原油価格は底堅く推移し、WTI原油先物は68ドルを超えて推移しています。米原油生産の現状を把握する為、本日に発表されるベーカーヒューズ社のリグ稼働数は注視されるでしょう。

主要な動き: 豪ドルとNZドルは回復;ドル円113円割れ、ユーロドル1.16ドル越え
昨日に発表された米週次新規失業保険申請件数が約50年ぶり低水準となったにも関わらず、米ドルは下落しました。トランプ大統領がFRBの金利政策が経済にダメージを与える可能性があると発言したことにより、利益確定売りの動きに繋がりました。一般的に、米大統領は金融政策への介入はしないものの、トランプ大統領の発言が今後の金融政策に影響すると判断するには早すぎるでしょう。トランプ大統領の発言を受けて、米政府は「トランプ大統領はFRBの独立性を尊重しており、トランプ大統領の発言の意図は、金融政策への介入ではなく、政策金利へのかねてから持っていた見解にすぎない」とコメントしました。トランプ大統領の発言は、最近買われ過ぎ傾向にあった米ドルに、利上げ確定売りの機会を与えました。
通貨の大きな動きに関するもう一つのニュースは、人民元の1年ぶり安値までの急落でした。ドル/人民元は6.8128人民元まで一時値を切り上げ、その後に国営銀行による介入のうわさを受けて、6.80人民元を割り込んだ6.7940人民元まで下落しました。米ドル安の流れにも関わらず、人民元が急落したことは、人民元の一段の下落の余地を示している可能性があります。中国政府が米中貿易戦争で人民元を武器として使用している可能性がありますが、米中貿易摩擦が中国資産の売却、及び人民元安に繋がった模様です。
米ドル安の流れにより、豪ドルとNZドルは、対米ドルで最近に記録した下げ幅の一部を回復しました。人民元が急落しなかったら、豪ドルとNZドルはより大きな回復をしたでしょう。オーストラリアとニュージーランドは、輸出で中国に依存しています。
本日に発表された日6月消費者物価指数は、前月比0.7%増となりました。生鮮食品を除くコアの消費者物価指数は、前月比0.8%増となりました。日銀は緩和政策を引き続き維持する模様です。
本日これからの市場: カナダ消費者物価指数、及び小売売上高に注目
GMT1230には、カナダ6月消費者物価指数が発表され、前月結果の前年比2.2%増に対して、前年比2.4%増が予想されています。カナダ中央銀行の中期的インフレ目標は1%から3%の中間点2%に設定されており、今後数カ月内の0.25%の追加利上げへの期待が高まっています。現在、10月利上げの可能性が43%で、12月利上げの可能性が54%となっています。
同時刻には、カナダ6月小売売上高も発表され、前月結果の前月比1.2%減から前月比1.2%増への増加が予想されています。市場予想通りの結果となった場合、2017年12月以来最大の伸びとなります。自動車を除くコアの小売売上高も前月結果の前月比0.1%減から前月比0.7%増への回復が予想されています。
カナダは既に鉄鋼とアルミニウムの関税を米国に支払い始めている為、貿易問題の不透明感は引き続きカナダドルにとってのリスク要因となるでしょう。一方、NAFTA交渉にも進展はありません。NAFTAを破棄し、カナダとメキシコとのそれぞれの二国間貿易協定締結という米国側の提案に対して、カナダとメキシコは拒否する姿勢を示しています。したがって、量的緩和終了に着手する前に、貿易問題が慎重に検討されるでしょう。

テクニカル分析: USDCADは短期的に横ばい推移の兆し
USDCADは、4時間足チャート上で1か月ぶり高値付近の一目均衡表の雲の上を推移しており、現在の所、保ち合い相場を示しています。RSIは50を超えており、MACDはゼロと赤いシグナルラインを超えていることから、共に上昇範囲で推移しています。しかしながら、RSIもMACDの上昇に鈍化が見られることから、短期的な保ち合い相場の継続が示されています。本日発表されるカナダ消費者物価指数と小売売上高の結果次第で、カナダドルが動くでしょう。
好調な経済指標結果でカナダドル高が進み、USDCADが下落した場合、1.3108カナダドルから1.3289カナダドルまでのフィボナッチリトレースメント23.6%上の1.3246カナダドル付近がサポートゾーンになるでしょう。1.3108カナダドルを下抜けた場合、フィボナッチリトレースメント38.2%上の1.3219カナダドルが視野に入るでしょう。フィボナッチリトレースメント50%上の1.3200カナダドルも下抜けた場合には、フィボナッチリトレースメント61.8%上の1.3177ドルを試す展開となるでしょう。
反対に、経済指標結果が市場予想を下回った場合、米ドル高が進み、USDCADは1.3300カナダドル台超えを達成するでしょう。6月に強いレジスタンスとして機能した1.3350カナダドル付近を試す展開となるでしょう。1.3350カナダドルを上抜けた場合、6月26日記録した1年ぶり高値1.3385カナダドルが視野に入るでしょう。