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FRBの利下げ示唆で米ドル下落、ゴールドは急騰
昨日、FRBは政策金利の据え置きを公表しました。更にFRBは、市場が予想しているほどの十分な利下げの可能性があるとの見解を示しました。一名のFOMCメンバーは、すぐに利下げに踏み切ることを支持しました。FOMC全体としては、「辛抱強い」という文言が、景気下支えの為に「適切に対応する」に置き換えられました。金利の見通しを示す「ドットプロット」では、18名中、7名のメンバーが年内2回の利下げを予想しています。パウエル議長は、世界経済減速、及び貿易摩擦を、主要なリスクとして挙げました。
注目すべき点は、FRBが市場の懸念に理解を示し、今後数カ月以内に状況が実質的な改善を見せない場合、迅速、且つ力強く緩和政策に踏み切る姿勢があるということです。現在、市場では7月の政策会合での0.35%の利下げが予想されています。つまり、通常の0.25%の利下げは織り込み済みとなっていることを示しています。0.50%の利下げの可能性は40%となっています。2020年7月までに、4回の利下げが予想されています。FOMC政策会合での決定を受けて、昨日の米ドルは下落し、本日も下落を継続しています。一方で、ゴールドは6年ぶり高値まで急騰しました。
今後の米ドルの方向性としてポジティブな点は、既に悲観的観測が十分に織り込まれている為、経済指標や貿易問題で良いニュースがあった場合、年内二回の利下げ観測が再検討され、米ドルが大きく上昇する可能性があります。総じて、米ドル全面高の流れは終息に向かっているようです。既に織り込み済みの要因を考慮しても、FRBがECBや日銀よりも利下げに踏み切る可能性は高いでしょう。
英中銀は利上げ支持を継続の模様、党首選の投票に注目
本日、市場の関心は英国に向けられるでしょう。イングランド銀行の政策会合に加え、党首選の投票も予定されています。金融政策に関しては、市場で僅かながらも利下げが予測されているにも関わらず、イングランド銀行は依然として利上げに前向きな姿勢を維持しています。したがって、イングランド銀行が利下げを支持する姿勢を改めて示した場合、ポンドが若干上昇するでしょう。
しかしながら、最近のポンドの値動きは、経済的要因よりも、政治的要因の影響を受けています。現在、市場の最大の関心は、党首選に向けられています。GMT1200には、四回目の投票が予定されています。誰も落選しない場合、GMT1700に再度投票が実施されます。最近、多くの候補者がよりソフトなEU離脱姿勢を示すようになったことと、米ドル安の流れにより、ポンドが下げ止まりました。
カナダ中銀の政策金利据え置き期待で、カナダドル急騰
昨日のカナダ5月消費者物価指数の予想外に好調な結果を受けて、カナダ中央銀行が主要国で唯一利下げを実施しないとの憶測が広がり、カナダドルが急騰しました。
カナダドルは他の通貨と比較して、非常に明るい見通しとなっています。しかしながら、今後の方向性は、翌週のG20サミットや7月1日のOPEC会合結果次第にもなるでしょう。