デイリーマーケットコメントーFOMC後の株価最高値更新、原油価格上昇

投稿日: 2019年6月21日18時17分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FOMC後、米株価最高値更新
  • ユーロ圏PMIの結果で、ユーロ上昇
  • 英党首選の最終候補の2名決定-ポンドは保ち合い相場の見通し
  • 供給低下懸念と需要増加の見通しで、原油価格上昇

FRBのハト派的見解で、米株価最高値更新

昨日、FRBが近々利下げの用意があることを示唆した為、株式市場が上昇しました。S&P500は0.95%上昇し、終値は最高値を更新しました。利下げは、投資家や企業が低金利での資金調達が可能になり、企業のコスト低下による利益増加に繋がる為、通常は株式等のリスク資産を上昇させます。一方で、国債利回りの急落により、国債の需要は低下しました。

翌週の米中首脳会談での通商協議の再開への期待が上昇したことも、株価上昇要因となりました。注目すべきことは、リスク資産と安全資産が共に上昇していることです。本日前半のゴールドは、6年ぶり高値1410ドルまで急騰しました。昨日のスイスフランは、外国為替市場で最も堅調推移した通貨でした。

リスク資産と安全資産の上昇は、投資家は株式の保有高を増加させる一方で、安全資産も確保していることを示しています。したがって、緩和政策のみでは、市場の懸念を緩和することができないでしょう。翌週に、トランプ大統領と習国家主席が貿易戦争停止に合意した場合、状況は好転し、株高が一段と進む可能性があります。

ユーロ圏PMIの好調な結果が見通し改善を示し、ユーロ上昇

本日発表された仏7月PMI、及び独6月PMIは、市場予想を上回る結果となりました。しかしながら、ECBによる刺激策実施を変更させるには不十分ですが、刺激策実施を再検討させる材料にはなるでしょう。したがって、ユーロにはポジティブな要因となります。

特に、FRBが7月利下げに向けての準備を示唆した為、ユーロ/ドルの短期的見通しは上昇傾向となるでしょう。

英中銀はより慎重姿勢を示し、党首選では最終候補者の2名が決定

昨日、イングランド銀行は利上げを支持する姿勢を維持したものの、若干慎重な姿勢も示しました。更に、イングランド銀行は、最近、合意なき離脱の可能性が高まっていることにも言及しました。ポンドは若干下落したものの、その後すぐに、下げ幅の殆どを回復させました。

市場の主要な関心を集めている党首選では、候補者はボリス・ジョンソン氏とジェレミー・ハント氏に絞られました。今後、全国16万人の保守党党員による投票の結果、7月末までに党首が決定されます。2016年にEU残留を支持したハント氏は、ポンドにとってポジティブな選択肢となるでしょう。米ドル安が進む中、現在、ポンドは下げ止まっています。

世界経済成長への懸念緩和とイランへの懸念で、原油価格上昇

昨日は、原油価格が上昇しました。原油需要の見通しが改善し、原油供給の見通しが悪化した為、WTI原油先物相場は5%以上上昇しました。米中通商協議再開への期待が、世界経済成長への懸念を緩和させました。イラン革命防衛隊が、米軍の無人偵察機を撃墜したというニュースは、状況を一段と緊迫させました。このニュースを受けて、トランプ大統領がイランへの攻撃を命じたものの、キャンセルされたという報道もあります。

したがって、原油相場の見通しは上昇傾向となっています。7月1日はOPEC政策会合も予定されており、減産期間が延長された場合、原油価格は上昇するでしょう。