デイリーマーケットコメントーFRB、カナダ中銀、英中銀の政策発表、英総選挙実施決定

投稿日: 2019年10月30日20時11分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米利下げの見通し、今後の据え置き示唆の可能性で米ドル上昇
  • カナダ中銀は政策金利を据え置き、中立的政策維持の見通し
  • 明日は日銀の政策発表-利下げの余地あり
  • 英総選挙は12月12日に決定

米利下げは織り込み済み、今後の据え置きは示唆されるか?

本日には多数のイベントが控えています。まず、GMT1800には、FOMC政策発表が予定されています。その30分後には、パウエル議長の記者会見があります。市場では、利下げの可能性が約95%となっており、ほぼ織り込み済みとなっています。したがって、市場の反応は、利下げではなく、今後の方針次第となるでしょう。

米中通商協議の第一段階の合意見通し、及び世界経済減速の緩和により、今回の利下げ後、当面の間は、利下げを実施しない方針をFRBが示唆する可能性があります。パウエル議長は、FRBが積極的に利下げを行い、最近の刺激策の効果を見極めるには時間が必要であるとの見方を示すかもしれません。この場合、今後数カ月内の追加利下げの可能性は低いでしょう。

米FF金利先物では、12月の追加利下げは3分の1の可能性となっています。パウエル議長の発言内容が、市場予想よりもタカ派寄りの内容となった場合、米ドルが緩やかに上昇するでしょう。FOMC政策発表の数時間前に発表される米第3四半期GDPも、米ドル相場に影響するでしょう。

カナダ中銀は政策金利の据え置きと中立的政策の維持の見通し

GMT1400には、カナダ中郷銀行による政策発表も予定されています。米国とは異なり、据え置きが予想されています。カナダ経済は全体的に底堅さを維持しており、米中貿易摩擦により影響は、現在の所、見られません。したがって、他の中央銀行が利下げに踏み切る中、カナダ中央銀行は政策金利を据え置く模様です。本日の政策会合でも中立的な政策を維持し、今後数カ月は政策金利を据え置くでしょう。

カナダ中央銀行の据え置き決定と、今後の方針で、本日のカナダドルは上昇する模様ですが、緩やかな上昇になるでしょう。市場では、翌年の利下げの可能性は50%未満となっている為、カナダ中央銀行が当面の間は据え置く方針を示しても、サプライズにはならないでしょう。したがって、カナダドルを取り巻くリスクは全体的に不均衡になっています。良いニュースで、カナダドルは僅かに上昇しますが、悪いニュースでは急落する可能性があります。

日銀はFRBに追随して利下げに踏み切るか?

FRBやカナダ中銀とは異なり、日銀の方針は不透明です。昨夜に日銀は政策会合を終え、市場では0.10%の利下げが40%の可能性となっています。非常に低いインフレ、及び最近の消費増税等の様々なリスクにより、追加緩和観測が高まっています。既に大規模な刺激策が実施され、これ以上の政策はあまり残っていないものの、念のための最終手段はまだ使用されないようです。日銀は政策金利据え置くものの、追加利下げの可能性を示唆する可能性があり、円相場への影響は限定的となるでしょう。

英総選挙実施決定-EU離脱の膠着状態打開に繋がるか?

英国では、12月12日の総選挙実施が正式に決定しました。ジョンソン首相は過半数を獲得し、離脱協定の議会承認を押し進めようとするでしょう。一方の野党は、国民投票実施を押し進める模様です。ポンドにとってのネガティブな結果は、どの党も過半数を維持できない結果となり、英議会の膠着状態が継続することでしょう。

市場の関心は、世論調査に向けられます。小選挙区制度により、世論調査ではどの党が優勢かを判別することが容易ではありませんが、ポンド相場は世論調査に反応するでしょう。