XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら

ユーロ債への反応は冷ややか、ユーロ下落
昨日のユーロ圏財政会合では、新型コロナウイルスに対応する為の財政刺激策に合意することができませんでした。市場は、ユーロ圏内の制度上の欠陥に再注目することになりました。合意に至らなかった主要因は、ユーロ国債となる「コロナ債」にドイツとオランダが反対したことでしょう。
明日も協議が継続します。しかしながら、加盟国内の意見の相違は、EUの厳格な財政ルールが、イタリアやスペイン等の財政的に脆弱で、独自では大規模な財政政策を実施できない国での問題を悪化させる可能性を浮き彫りにしました。
新型コロナによる危機前に既に経済減速に直面していたユーロ圏では、一段の景気後退観測、及び回復までの長期化の恐れが浮上しました。リスクムード回復と米ドル安によって上昇していたユーロは、昨日の上昇幅の一部を失いました。
総じて、ユーロ相場の見通しは依然として明るくはないでしょう。ユーロ国債の発行が合意に至らない中、ユーロ相場の短期的な見通しは、市場のリスクムード次第になるでしょう。ユーロ相場の長期的な見通しは、適切な財政刺激策が実施されず、ユーロ圏経済が打撃を受けるか次第になるでしょう。今回の危機でさえも実施されない場合、今後EUの財政刺激策が実施される可能性は低いでしょう。
米国内の感染者数増加で、株価下落
昨日の市場は、全体的に奇妙な動きを見せました。米株式市場は3.5%上昇した後、前半の上昇幅を全て失い、終値は下落しました。株価急落の背景には、ニューヨークでの感染者数があるようです。感染拡大のスピードには鈍化が見られるものの、感染者数と死亡者数は依然として増加しています。
本日の米主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示していましたが、ユーロ圏財政会合でユーロ債の合意に至らなかった為、下落に転じました。EUの制度上の欠陥が、EU内だけでなく、世界的にも影響を及ぼしたようです。
株式市場の最近の回復を維持できるかは、依然として不透明でしょう。大幅な株価下落後の再調整やショートカバーによる回復は、まだ限定的です。今後、経済指標が経済的打撃を浮き彫りにし、翌週からの決算シーズンでは大手企業による見通しの大幅な下方修正が予測される中、株価回復が維持できるかは疑問です。
また、長期的な株式市場の見通しも、同様にネガティブです。経済活動の再開後、V字回復やU字回復が予想されています。しかしながら、多数の人が急激に職を失ったことを考慮すると、長期的な消費活動の及ぼす影響は大きいでしょう。また、中小企業の倒産も考慮すると、2008年の危機後と同様に、回復に時間がかかることが予測されます。株式市場も次第に、このような現実を認識するでしょう。
減産効果が疑問視され、原油価格下落
2000から3000万バレルの原油需要が低下する中、OPECによる1000万バレルの減産効果が疑問視され、昨日の原油価格は下落しました。
減産量は低下した需要量を下回ると、供給過多の改善に繋がらず、減産合意はあまり効果がないことになります。したがって、減産合意後に原油価格が回復しても、原油相場の転換には繋がらず、回復は継続しないでしょう。カナダドル相場も同様になるでしょう。
本日には、FOMC政策会合の議事録が発表されます。しかしながら、FRBが既に大規模な財政政策を公表した為、議事録の内容は材料視されないでしょう。