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トランプ大統領が経済活動再開の指針公表、市場はリスクオンの流れ
新型コロナウイルスへの楽観的観測が再度市場で広がり、リスクオフムードが緩和しました。小売売上高、鉱工業生産、及び住宅件数等の米経済指標の脆弱な結果により、市場での懸念が再度強まりましたが、市場はポジティブな展開に目を向け始めたようです。
昨日、トランプ大統領は経済活動再開の指針を公表しました。指針では、再開の条件を満たした州は、3段階で閉鎖措置が緩和できます。しかしながら、本指針では、感染状況が深刻ではない複数の州では、金曜日にも閉鎖措置の緩和が可能なため、民主党は強い反発を示しています。
トランプ大統領の新たな指針により、閉鎖措置の早期緩和や一部の経済活動の再開が可能となる為、昨日の米株価は上昇しました。
更に、米製薬会社の「レムデシビル」の臨床試験で、殆どの患者の症状が回復したと報じられたことも、株価上昇の追い風となりました。新型コロナウイルスの新薬開発は、閉鎖措置撤廃に繋がる為、市場の流れを変える要因となるでしょう。
株価再度上昇、しかしながら、GDPの脆弱な結果で中国株価は横ばい推移
リスクオンの流れ回復により、アジア株式市場も上昇しました。日経平均株価は、3.2%上昇しました。しかしながら、中国第1四半期GDPが予想を大きく下回った為、中国株式市場は、1％未満の上昇にとどまりました。中国第1四半期は、前年比6.8%減となり、1992年以来の最大の下げ幅を記録しました。
中国3月鉱工業生産は予想ほど悪化しなかった為、最悪の状況を脱したとの期待が上昇しました。
リスクオンの流れにより、欧州株式市場もオープン時に約3％値上がりました。米主要株価先物指数も、昨日の上幅を維持してのオープンを示しています。
主要な経済指標の発表もなく、多数の国で新たな感染者数の減少傾向が見られていることから、市場はポジティブなムードで今週の取引を終える模様です。
ゴールド下落、しかしながら米ドルは堅調推移
リスクオンの流れにより、ゴールドは今週の7年ぶり高値から下落し、1700ドルを割り込みました。
しかしながら、安全資産の米ドルは底堅く推移し、米ドルインデックスは0.1%上昇しました。円は昨日の下落から回復し、全面的なリスクオンの流れではないことが浮き彫りとなりました。
ユーロ、ポンド、豪ドルは、対米ドルと円で下落しました。スイスフランは、強弱混合の動きとなりました。
原油価格も下落し、WTI原油先物は、8％下落しました。トランプ大統領による経済再開の指針は、原油高には繋がらなかったようです。
