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トランプ大統領によるイランに関する発言で、原油価格回復
昨日、トランプ大統領のツイッターへの投稿により、原油市場の流れが変わりました。トランプ大統領は、「イランの小型砲艦が海上で米国船に嫌がらせをした場合、全て撃沈するように米海軍に指示した」と述べました。状況が緊迫化した場合、供給が低下する為、トランプ大統領の発言により、原油価格は上昇に転じ、終値も上昇しました。本日の原油価格も上昇幅を拡大させました。
原油価格を上昇させるために、トランプ大統領が故意に発言したかは不透明です。いつもの気まぐれな発言の可能性もあります。しかしながら、故意の発言だった場合、コストを支払わずに原油相場の流れを変える巧妙な方法となるでしょう。
原油価格回復は継続しない可能性
過去数年のトランプ大統領の言動から、トランプ大統領にはイランと実際の戦争を引き起こす気がないことは明白です。イラン側も、新型コロナウイルスの感染拡大の打撃を受ける中、状況悪化は回避するでしょう。
イランの原油生産が全て停止した場合でも、世界の原油供給の内、一日200万バレルの削減に過ぎません。3000万バレルの需要低下と比較して、微々たる量です。したがって、需要と供給のバランスは不均衡のままで、現在直面している原油保管スペースの問題解決には繋がらないでしょう。
原油相場や原油相場に影響されるカナダドル等の上昇には繋がったものの、この流れが継続する可能性は低い模様です。世界は原油供給過剰に直面しており、需要問題が改善されない限り、持続可能な原油価格の回復は困難でしょう。
ユーロはEU首脳会議待ち、しかしながら期待は低い模様
本日の欧州では、EU首脳会議が市場の注目を集めるでしょう。EU首脳会議では、新型コロナウイルスへの対応として財政政策について協議されます。市場の関心は、国債問題に直面するイタリア等の経済を支援する為、コロナ債発行が合意されるかに向けられるでしょう。
しかしながら、ドイツやオランダがコロナ債発行に懐疑的姿勢を示している為、可能性は低いでしょう。欧州理事会のミシェル議長は、共同声明の合意を促さないことが報じられている為、今回の協議での合意は期待できないでしょう。
本日に発表されたユーロ圏4月PMIの脆弱な結果を受けて、既に下落したユーロは、EU首脳会議の結果により、一段と下落する可能性があります。ユーロ圏PMI総合は、13.5まで低下し、ユーロ圏経済の前期比7.5%減と一致しました。
明日に控えたS&Pのイタリア国債の格下げによるパニックを回避する為に、昨日に、ECBは銀行への融資でジャンク債の受け入れを決定しました。これにより、ユーロの下落圧力が緩和される模様ですが、見通しは依然としてネガティブでしょう。
株価回復、しかしながら安全資産も堅調推移
昨日、世界株式市場では、リスクオンの流れが回復しました。原油価格回復により、S&P500は2.3%上昇しました。しかしながら、米ドル、円、及びゴールド等の安全資産も底堅く推移していることから、市場はリスクオン継続に懐疑的な姿勢を維持しているようです。
特に、ユーロ/円の動きは注目に値するでしょう。現在、ユーロ/円は3年ぶり安値を試す展開となっており、リスクオフの流れが再度強まった場合、3年ぶり安値を更新する可能性があります。