デイリーマーケットコメントー閉鎖措置緩和の兆しでリスクオン、日銀は緩和政策拡大

投稿日: 2020年4月27日18時49分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 閉鎖措置緩和の兆しで、ユーロ、ポンド、豪ドルが上昇、米ドルは下落
  • 株価上昇、しかしながら原油価格は再度下落
  • 日銀は国債の無制限購入を発表、FOMCとECBの政策会合に注目

閉鎖措置緩和の可能性?

世界の主要経済に影響を及ぼした閉鎖措置緩和の兆しにより、リスクムードが改善し、今週の市場は好調なスタートとなりました。流動性の高さにより、新型コロナウイルス感染拡大中、安全資産と見なされた米ドルは、本日には対主要通貨で下落しました。

ユーロとポンドが先週の安値より回復した為、米ドルインデックスは0.4%低下しました。欧州セッション開始前のユーロ/ドルとポンド/ドルは、それぞれ1.08ドルと1.24ドルを上回って推移しました。ユーロ圏4月サービス業PMIの脆弱な結果、及びEUの1兆ユーロ規模の財政刺激策も市場を好感させることができず、先週木曜日のユーロは1か月ぶり安値まで急落しました。ドイツ、フランス、イタリア、及びスペイン等の欧州の主要国が閉鎖措置緩和に向けて動き始め、ユーロ圏第1四半期GDPに見られた脆弱な経済状況が長続きしないとの楽観的観測が広がりました。

本日より、新型コロナウイルスから回復したジョンソン首相が復職することから、ポンドも上昇しました。今週後半には、英国も閉鎖措置緩和を公表する可能性が上昇しています。

オーストラリアでは、先週には、一日当たりの新たな感染者数が50を下回り、政府は閉鎖措置を段階的に解除しています。豪経済が急激な景気後退を回避できるとの期待により、豪ドルは6週ぶり高値まで急騰しました。

株価上昇、しかしながら、原油価格は下落し現実をより反映している可能性

しかしながら、市場の楽観的観測は科学的根拠に基づいた観測なのでしょうか?或いは、閉鎖阻止の早期解除による誤った観測なのでしょうか?株式市場では、科学的根拠に基づいた観測と判断した模様です。本日の欧州市場は、約2%上昇してのスタートとなりました。米主要株価先物指数も、少なくとも1%上昇してのオープンを示しています。

異例の財政刺激策、及び米企業の四半期決算結果が予想ほど悪化しなかったことにより、株価を押し上げているようです。したがって、市場は最悪の状況は脱したと見なしているようです。封鎖措置を解除する国が増えても、経済活動が正常に戻るまでは、数か月、或いは早くても数週間はかかるでしょう。重要なことは、感染拡大の第二波の兆しが見られた場合、閉鎖措置が再度実施されることになります。

本日の原油価格は、更に13%値下がりしました。原油需要が激減し、原油保管スペース問題に直面していることから、原油価格は下落を継続しています。

日銀の決定で円は強弱混合の動き、ECB政策会合に注目

米ドル安の流れにより、円は対米ドルで上昇しました。しかしながら、本日、日銀が政策会合で資産購入枠拡大を公表した為、円は対ポンド、豪ドル、及びNZドルで下落しました。新型コロナウイルスによる経済へ打撃を緩和させる為、日銀はFRBと同様に、上限なしに国債を購入することを公表しました。

今週水曜日には、FOMC政策会合が予定されています。新型コロナウイルスの危機開始以来、FRBは既に数々の刺激策を決定した為、今回の政策会合では、新たな政策発表は予定されていません。

ユーロ圏では新型コロナウイルスへの十分な対策が決定されていない為、ユーロ圏経済を支えるための刺激策への期待がECBに向けられています。