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WTI原油先物の急落で、原油相場の下落継続
昨日、世界最大の原油価格連動型上場投資信託(ETF)が、WTI原油先物の6月限のポジションを全て売却する方針を明らかにしました。これにより、WTI原油先物は2日連続での下落となる模様です。先週の原油相場の急落後、若干価格が安定を見せ始めた時に、USオイルファンドがWTI原油先物の6月限の売却を発表したことは、市場を驚かせました。
過去二日間で、WTI原油先物は37％値下がりし、ブレント原油先物は12％値下がりしました。
原油相場の急落は、新型コロナウイルスによる閉鎖措置での世界的な原油需要減少の規模の大きさを浮き彫りにしています。複数の国では、閉鎖措置の段階的な解除を開始しましたが、原油在庫のスペース問題解消に繋がるかは疑問です。
最近に原油産出国が決定した減産量は、需要減少量には大きく及びません。OPECの決定、或いは閉鎖措置の段階的解除よりも、米シェール企業の倒産が需要と供給のバランス安定に繋がる可能性があるでしょう。
緩和措置解除への楽観的観測でゴールド下落；株価は強弱混合の動き
閉鎖措置解除への期待が市場のリスクオンムードを強め、ゴールドは三日連続での下落となり、1700ドル台を割り込みました。
閉鎖措置の長期化による経済への打撃が懸念され、ゴールドは7年ぶり高値を更新したのは、僅か2週間前でした。新たな感染者数増加がピークに達したと見なされた欧州や米国では、感染拡大のスピードを抑えた上で、段階的に閉鎖措置が解除され、数週間ぶりに小売店や工場の営業が再開しました。
楽観的観測により、米株式市場は数十年ぶりに一月で最大の上昇幅を記録しました。S&P500は、1991年12月以来最大の上昇幅となる11％以上上昇して今月を終える模様です。今後数日間には、マイクロソフト、アップル、及びアマゾン等の大手企業の決算が報告されるため、市場の期待も高まっています。しかしながら、今週には複数の中央銀行の政策会合が予定されている為、市場は慎重姿勢を維持し、アジアと欧州株式市場は強弱混合の動きとなりました。米主要株価先物指数も、緩やかな上昇に留まっています。
FOMCとECB政策会合控え、米ドル下落、ユーロ停滞；NZドルは下落
外国為替市場は、比較的静かな動きとなりました。リスクオンムードにより、ポンドと豪ドルは上昇し、米ドルは下落しました。ユーロは上昇したものの、上昇幅は緩やかになりました。市場は、木曜日に開催されるECB政策会合待ちとなっています。政策会合では、新型コロナウイルスに対応する為の追加刺激策が合意されるかが注視されるでしょう。
カナダでの閉鎖措置緩和が原油安阻止に繋がるとの観測により、カナダは予想外に安定推移しました。ニュージーランド準備銀行によるマイナス金利政策の可能性により、NZドルは対米ドルで主要水準の0.60ドルを割り込みました。
ニュージーランドでは、オーストラリアと同様に、新型コロナウイルス収束間近となっており、既に一部の閉鎖措置が解除されています。しかしながら、ニュージーランド準備銀行のオア総裁が一段の緩和政策の余地があることを表明した為、NZドルが下落しました。
