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FRBメンバーの発言で量的緩和縮小の可能性が後退し、米ドル下落
昨日のFRBメンバーの発言は、量的緩和縮小の可能性を後退させ為、米ドルの売り圧力が再度強まりました。インフレ率が2%を越えても、現行の政策を継続すると述べたカンザスシティ連銀のジョージ総裁の発言が特に注目を集めました。
FOMCのタカ派メンバーの発言により、量的緩和縮小の懸念が緩和し、国債利回りが低下しました。しかしながら、市場は既に織り込み済みだったようです。注目されるのは、年内にインフレ率が3%付近まで上昇しても、FRBが現行の政策を維持するかになるでしょう。食糧、燃料、及び工業用原料の価格上昇を考慮すると、3%付近まで上昇する可能性は十分にあるでしょう。
FRBによる流動性供給が継続する中、インフレ要因であるものの、まだ唯一実現していない要因は、労働市場の堅調化、及び価格流通速度の回復でしょう。ワクチン供給が行き渡り、経済回復が本格化すると、労働市場や価格流通速度も回復するでしょう。民主党により財政刺激策も追い風となるでしょう。
したがって、量的緩和縮小が米ドル高に繋がる可能性は、現時点ではまだ材料視されませんが、今年半ば辺りから材料視される可能性は十分にあるでしょう。本日は、米12月消費者物価指数の発表、及びクラリダFRB副議長とブレイナード専務理事の発言が予定されています。
メルケル首相が4月までのロックダウン延長の可能性示唆
米ドル安の流れの恩恵を受けた通貨は、ユーロでした。メルケル首相は、ドイツのロックダウンが4月上旬まで継続する見通しを明らかにしたものの、ユーロは材料視しませんでした。
ユーロ相場は奇妙な動きです。欧州は米国よりも、ワクチン供給が大幅に遅れている上、W型景気後退に直面する可能性が高まっている中、十分な刺激策も実施されていません。ECBが金融正常化に踏み切るのは、FRBの数年後になるでしょう。
おそらく、現在、ユーロを下支えしているのは、デフレのようです。超低金利政策が長期間継続する場合、実質金利を押し上げ、時には通貨自体も押し上げます。実質金利は、名目金利から予想物価上昇率を引いた率になるためです。しかしながら、通貨高は短期的な動きとなる可能性があります。更に、資金は経済成長に向けて流れます。米国は、経済成長において、最も達成可能な立場にあります。したがって、今後、ユーロ/ドルの下振れリスクは強まる可能性があります。しかしながら、現在の所、明日に発表されるバイデン次期大統領による追加刺激策の規模次第となるでしょう。
ポンドと原油価格上昇
市場全体では、ポンドと原油価格の上昇に注目があつまりました。マイナス金利の可能性が後退し、英国でのワクチン接種が欧州圏よりも速く進んでいることが、ポンド高に繋がりました。英国の新規感染者は依然として高水準で推移していますが、今後は収束に向かうと市場は見なしているようです。
欧州圏内のロックダウン延長のリスクにもかかわらず、原油価格も上昇しました。欧州圏内の需要低下への懸念よりも、米国内の消費回復、及び今後数か月内のサウジアラビアの減産が材料視されたようです。原油価格は、感染拡大前の水準まで回復しました。
本日は、米消費者物価指数、及びFRBメンバーの発言に加えて、トランプ大統領の弾劾決議案の採決に注目が集まるでしょう。本日、下院は弾劾決議案を可決する見通しで、この場合は、上院で採決されます。