デイリーマーケットコメント–バイデン新大統領の就任で米株価最高値、ECB控えユーロ高

投稿日: 2021年1月21日19時59分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 追加刺激策への期待、及び新政権へのスムーズな移行で、市場はリスクオン
  • 米企業決算の強い結果も追い風となり、米株式市場の終値は最高値更新
  • 米ドルは再度下落、ECB政策会合を控えてユーロ回復

バイデン新大統領の就任で、楽観的観測上昇

昨日、トランプ大統領の波乱に富んだ4年間の任期が終了しました。バイデン新大統領の就任演説では、米国民に向けた希望と結束のメッセージが伝えられました。就任演説では、今後の政策の詳細には言及されなかったものの、前政権の方針を変更する為に、バイデン新大統領が任務に直行したことから、前政権からの方針転換は明らかです。

市場では、バイデン新大統領の任期後半に予測される減税や規制強化への懸念よりも、新型コロナウイルスの感染拡大の収束、及び経済回復が新政権の最重要課題と見なされていることが、材料視されました。バイデン新大統領は、昨年12月に米議会で承認された9000億ドルの追加経済対策に加えて、1.9兆ドル規模の追加経済対策の詳細も明らかにしています。バイデン新大統領とマコーネル上院院内総務の建設的な関係は、超党派の合意に繋がると市場は期待しているようです。

追加刺激策とワクチンへの期待を背景に、バイデン新大統領の就任式は混乱もなく終了したことへの安堵、そして今後4年間は、予想外、且つ分断に繋がる出来事が減少する見通しは、リスクオンの流れを後押ししました。

バイデン新大統領就任で、米株価最高値更新

昨日、米3主要株価全てが最高値で引けました。特にナスダック指数は、2%の値上がりとなりました。S&P500は1.4%、ダウ工業株は0.8%の上昇となりました。株価の上昇幅は、1985年の大統領の就任以来、最大となりました。市場は、民主党による大規模な追加刺激策、及び新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みに期待しているようです。

バイデン新大統領の超党派へのアプローチ、及びイエレン新財務長官とFRBとの緊密な連携は、経済回復への力強いコンビネーションと見なされているようです。

現行の追加経済対策案の議会承認が難航したり、規模が縮小しても、米経済は予想よりも底堅く推移しています。第4四半期決算は底堅い結果となっており、第1四半期の株式市場の調整リスクを後退させています。

今月、アジア、及び新興国の株式市場も堅調に推移しています。ユーロ圏の株式市場は、ロックダウンの影響により、強弱混合の動きとなっています。

ECB政策会合控え、ユーロ若干回復

ユーロ圏でのロックダウン延長懸念、及びワクチン接種のスピードが遅いことが、最近のユーロ安の要因となっています。しかしながら、バイデンラリーにより、ユーロも対米ドルで一時1.21ドルを超えました。

本日のGMT1245に控えるECB政策発表への不透明感、及びECBがユーロ圏内の債券スプレッドの拡大抑制を目指しているとの報道により、昨日前半のユーロは下落しました。本日の記者会見において、ラガルドECB総裁がユーロ圏内の債券スプレッドの拡大抑制方針を示したとしても、少なくとも当面の間は、イールドカーブコントロールには繋がらないでしょう。新型コロナウイルスの緊急支援の買い入れ政策では、あと1兆ユーロ以上残っている為、ECBがハト派的見解を示した場合、ユーロは下落するでしょう。

ポンド、豪ドル、NZドル上昇、一方で米ドル下落、カナダドル高一服

市場の楽観的ムードによる打撃を最も受けたのは、米ドルでした。米ドルは、対主要通貨で1週間ぶり低水準まで下落しました。利下げやマイナス金利導入の観測が後退し、ポンドとNZドルが大幅に上昇しました。

豪ドルは、豪雇用統計の強い結果により、上昇しました。カナダドルは、カナダ中央銀行の政策会合後の上昇が一服しました。

日銀の政策会合も開催されましたが、円相場では、日銀の政策会合よりも、市場のリスクオンの流れが材料視され、円は対主要通貨で下落しました。