デイリーマーケットコメント–株式市場の回復後退、FX市場は冷静な動き

投稿日: 2021年1月29日19時46分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米株式市場は下落してのオープンの見通し
  • 米ドルは対円とカナダドルで上昇、ポンドは対ユーロで上昇
  • 米経済指標に注目

株式市場は慎重な動き

今週の米株式市場は、乱高下となりました。個人投資家集団によるコールオプションがショートスクイーズを引き起こし、ヘッジファンドは空売りの手仕舞いを余儀なくされました。空売りをしていた一部の投資家は、損失を補填する為に、利益の出ているロングポジションの決済も余儀なくされ、影響は市場全体に及びました。

昨日、複数の取引所が異常な動きをする銘柄の取引を制限した為、乱高下が落ち着きました。これにより、個人投資家集団の勢いは失速し、予定されていたショートスクイーズも停止しました。市場が落ち着きを取り戻したことにより、米株式市場は大幅な下落から回復するでしょう。

しかしながら、静かな市場は継続しませんでした。欧州株式市場は全面安となっており、米主要株価先物指数は下落してのオープンを示しており、昨日の回復を失うでしょう。本日の下落に繋がる明確な要因は見当たりませんが、個人投資家集団の動きは投資家心理に影響し、慎重ムードに繋がったようです。

回復の流れは継続する模様

しかしながら、大局的な流れに変更はないでしょう。株価を最高値まで押し上げた要因は継続します。ワクチン接種は開始し、各国の中央銀行は刺激策を実施しています。米国では、追加経済対策が議会で協議され、経済回復の兆しが見られない場合は、バイデン政権が一段の政策を打ち出す可能性があります。

株式市場も同様の動きを見せています。最近の下落にもかかわらず、S&P 500は今年の水準を維持し、50日平均線を超えて推移しています。したがって、テクニカル上では大きなダメージは見られません。

実際のリスクは、変異種の一つに現行のワクチンが効かないことを科学者が証明したことです。ワクチンが効かない変異種が一つでも存在すると、経済正常化の見通しが変更され、市場で大きな修正が引き起こされるでしょう。

この場合でも、経済再開時期が数か月遅れることになり、大惨事にはならないでしょう。FRBが流動性追加の政策を維持する限り、株価上昇も継続見通しです。

株式市場の混乱にもかかわらず、FX市場は冷静な動き

不思議なことは、株式市場の混乱は外国為替市場には見られなかったことです。例えば、ユーロ/ドルは狭いレンジ幅内での取引となり、ポンド/ドルも最近の高値付近での推移を継続しています。

一方で、円はリスクオフの流れにもかかわらず、上値が重くなりました。円安の背景には、日銀が全体的に慎重姿勢を示したことがあります。

日国債利回りの上振れを容認する兆しが一部見られますが、当局は市場での金融引き締めの解釈に繋がることを懸念しているようです。日銀が金融引き締めの動きを見せた場合、政策全体のバランスを保つために、その他の緩和政策の維持を公表するでしょう。

株価と原油価格の下落により、カナダドルも下落基調を継続しています。

本日、市場の注目は、米12月コアPCEデフレーターに向けられるでしょう。

米企業の四半期決算は、キャタピラー、シェブロン及びイーライリリーの決算が発表されます。