デイリーマーケットコメント–国債利回り上昇で株価下落、米ドル回復

投稿日: 2021年2月22日19時30分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回り上昇で株価下落、米ドル回復
  • 米ドルは安全資産ではなく、再び米国の通貨となった可能性
  • リスクオフの流れにもかかわらず円下落、ポンドと豪ドル上昇

債券市場の影響で、株価下落

世界的な国債利回り上昇は、他の資産にも影響を及ぼし始めました。株高は一服し、米ドルが若干回復しました。市場に影響を及ぼす主要なニュースはなかった為、株価や米ドルの再調整の動きは、大規模な追加経済対策の議会承認が財政赤字拡大や世界経済回復に繋がると市場が見なしていることが要因でしょう。

10年債利回りは、重要な水準を超え、1年ぶり高水準を更新しました。名目上の利回りはインフレ見通しよりも上昇している為、実質金利も上昇しています。この動きが株式市場に影響した模様です。

過去一年間の株価急騰の主要因の一つは、マイナス金利でした。したがって、金利が上昇すると、株式市場にとってはネガティブな要因となります。本日の米主要株価先物指数は、下落してのオープンを示しています。

米ドル回復、円下落、ポンドは急騰

債券市場の動きは、外国為替市場にも波及し、特に下落した通貨は、円でした。日銀が国債利回り上昇を抑制している為、世界的に国債利回りが上昇すると、金利差によって、円が打撃を受けます。金利差による圧力は大きく、株価が全面安の流れとなっても、安全資産の円は上昇には繋がりません。

最近、米ドルの役割に変化が見られます。米ドルはもはや安全資産の役割ではなく、米経済のファンダメンタルズ要因によって、動いているようです。数週間前、米消費者物価指数の脆弱な結果を受けて、米ドルは下落しました。先週には、米小売り売上高の非常に強い結果を受けて、一時的に大きく上昇しました。

インフレ上昇、及びFRBによる量的緩和縮小観測により、米経済状況が再び米ドル相場に影響する主要因となっているようです。外国為替市場が、リスクムードではなく、経済のファンダメンタルズ要因によって動く場合、米ドルは少なくともユーロに対して有利な展開となるでしょう。

ポンドと豪ドル上昇、ゴールドは底堅く推移

最近、ポンドと豪ドルが最も堅調推移している通貨となっています。市場が今後の経済回復見通しを材料視している為、目先のネガティブな要因にもかかわらず、過去数週間のポンドは上昇基調を維持しています。

迅速なワクチン接種により、ユーロ圏とは対照的に、英国は閉鎖措置のリスクもなく、経済を再開できる見通しです。最近発表された英PMI指数では、経済回復の兆しも見られました。これを受けて、ユーロ/ポンドは大幅に下落しました。

堅調な国内経済、鉄鉱石と銅価格上昇を背景に、豪ドルも上昇を継続しています。最近の豪国債利回りは、米国債利回りの上昇幅を上回っており、本日の豪ドル/ドルは、3年ぶり高値を更新しました。

奇妙な動きを見せたのは、ゴールドでした。米ドル高の流れの中での利回り上昇は、通常は、ゴールドの下落要因となります。しかしながら、本日のゴールドは上昇したことから、ゴールドは安全資産として再び機能しているようです。

本日、GMT13:45には、ラガルドECB総裁の発言が予定されています。GMT17:00とGMT20:30には、ダラス連銀のカプラン総裁、及びボウマンFRB理事の発言も予定されています。市場は、最近の国債利回り上昇に懸念が示されるかに注目するでしょう。