デイリーマーケットコメント–債券市場の安定で、株価上昇、米ドル下落

投稿日: 2021年3月1日20時53分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 債券市場の落ち着きにより、利回り低下、混乱が完全に収束したかは不透明
  • 米ドルは高値から下落、リスク通貨は回復、ゴールドも安値から回復
  • ワクチンと追加経済対策への期待継続で、株価は上昇してのスタート

債券市場が落ち着きを取り戻したものの、長くは継続しない可能性

債券市場が落ち着きを取り戻し、長期国債利回りは先週記録した1年ぶり高水準から大幅に下落して、今週をスタートさせました。1.40%付近で推移していた米10年債利回りは、先週木曜日には1.6140%まで急騰しました。本日、欧州、オーストラリア、及び日本の10年債利回りも大幅に下落しました。

FRBやイングランド銀行が国債利回りの上昇を容認する一方で、オーストラリア準備銀行は介入し、国債利回りの上昇を抑制しました。しかしながら、利回りが下落に転じたと判断するには、時期尚早でしょう。

ワクチン接種スピードの加速、及び追加経済対策により、市場では世界経済回復への楽観的観測が継続しています。先週末、米国では、1回の接種だけで済むジョンソンエンドジョンソンのワクチンが認可されました。これにより、米国で緊急認可されたワクチンは3つになります。更に、バイデン大統領が提出した1兆9000億ドルの追加経済対策案が下院で承認されました。英国では、1回目のワクチン接種を終えた人が2000万人を超え、今週水曜日の予算案発表では、スナク財務相が追加の経済支援策を明らかにする模様です。

2021年後半は、インフレ上昇リスクを背景に、経済回復は継続するでしょう。債券市場の混乱が一段と大きくなった場合には、FRBが介入せざるをえなくなるでしょう。しかしながら、現在の所、一段の混乱は見られず、国債売りの圧力が弱まったことにより、リスクオンの流れが若干回復しました。

株価とゴールド回復

市場のリスクオンムード、及び長期国債利回りの低下により、世界の株式市場は上昇しました。日経平均株価は2.4%上昇して引け、ロンドン市場は1.9%上昇して本日の取引をスタートしました。米主要株価先物指数は1%以上も上昇してのオープンを示しています。先週金曜日に下落したハイテク銘柄は回復する見通しで、ナスダック指数が最も大幅に上昇するでしょう。

ゴールドは、株価とのポジティブな相関関係を継続し、先週の下落後、本日には上昇しました。先週金曜日には、世界的な国債利回り上昇により、ゴールドは8か月ぶり安値1716.85ドルまで急落しました。直近のゴールドは0.9%上昇したものの、ゴールドの今年に入って7%も値下がりしている為、国債利回りが大幅に下落しない限り、ゴールド相場の下落を回復させることはできないでしょう。

豪ドルとカナダドル回復、ユーロは再度下落

米ドルは、今週は下落してのスタートとなりました。国債利回りが低水準から回復し始めた為、米ドルインデックスは上昇しました。リスクムード回復にもかかわらず、ユーロは二日連続での下落となり、1週間半ぶりの安値まで値下がりしました。

本日は、ユーロだけでなく、ポンドも下落しました。ポンド/ドルは、本日の前半には上昇したものの、1.40ドル越えを達成できず、反落しました。

本日の豪ドルは、0.35%上昇しましたが、先週には約4%程下落しています。明日、オーストラリア準備銀行の政策発表が予定されています。債券市場の最近の混乱について言及された場合、豪ドルの値動きに影響するでしょう。

豪ドルに次いで堅調推移した通貨はカナダドルで、原油価格の回復により、対米ドルで約0.3%上昇しました。先週の混乱では、経済回復への楽観的観測により、原油価格は緩やかな下落に留まりました。今週木曜日のOPEC会合において、増産が決定された場合、原油価格げ楽する可能性があります。