デイリーマーケットコメント– 株価下落、米ドル上昇、国債利回り安定推移

投稿日: 2021年3月2日20時52分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 債券市場の安定で米株価上昇、その後、中国当局によるバブル警戒で世界の株価下落
  • ECB、豪中銀、NZ中銀が国債利回りに対応し、米ドルは1か月ぶり高値
  • 供給増加懸念で、原油価格は3日連続の下落、ゴールドは一段安

パブルへの懸念で株価下落

債券市場の安定にもかかわらず、中国当局が「海外市場でのバブルの可能性」を懸念を示したことにより、リスクオンムードが若干後退しました。これにより、世界的な株高の流れへの懸念が上昇し、アジア株式市場は下落しました。

昨日の上昇後、本日の米主要株価先物指数は0.3%から0.5%下落してのオープンを示しています。米国が3つの新型コロナウイルスのワクチンを承認し、バイデン大統領が提案した1兆9000億ドルの追加経済対策案が議会承認に向けて前進したことから、市場の楽観的観測が一段と上昇しました。

今後数日間の市場の関心は、米議会に向けられるでしょう。上院で争点となる可能性がある最低賃金引き上げ案を民主党が見送ったため、早くも今週に上院で追加経済対策案が可決される期待が高まっています。民主党が追加経済対策案の再調整に着手していることから、全ての工程が期限の3月14日までに完了する見通しです。

本日、欧州株式市場は強弱混合の動きとなりました。昨日のS&P 500やナスダック指数の上昇、及びユーロとポンドの下落が影響した模様です。

国債利回り上昇に中央銀行が対応

世界の債券市場の安定後、ユーロ、ポンド、及びコモディティ通貨は先週からの下落を継続しています。米国債利回りも低下したものの、FRBが長期国債利回り上昇にあまり反応していない為、下落幅は限定的でした。

昨日、リッチモンド連銀のバーキン総裁は、長期利回り上昇は経済成長やインフレ加速見通しの反応で、健全な経済では自然の反応であるとの見方を示し、FRBの見解を後押ししました。一方、ECB、オーストラリア準備銀行、及びニュージーランド準備銀行は、国債利回り上昇を抑制する動きを見せています。

昨日、ECBメンバーはユーロ圏内の国債利回り上昇にECBが対応する用意があることを示唆しました。ニュージーランド準備銀行のホクスビー総裁補は、金融引き締めに急いでいないことを示唆し、債券市場の反応はフライングであると述べ、ハト派的姿勢を示しました。本日、政策金利の据え置きを発表したオーストラリア準備銀行は、先週金曜日に国債購入後、今週月曜日に通常の2倍規模の国債を購入しました。

米ドル再度上昇

ECBによる国債利回り上昇への牽制発言は、少なくとも一時的にユーロ圏の国債売りを抑制しました。しかしながら、本日には、利回りは再び上昇を開始しました。本日もユーロ安が継続で、対米ドルで1.20ドル台を割り込んだ後、3か月半ぶり安値を更新しました。

ポンドも下げ幅を拡大させ、対米ドルで1.39ドル台を割り込みました。イングランド銀行は国債利回りの上昇に対して、FRBと同様の反応を示していますので、ポンド下落に繋がる要因は特には見当たりませんでした。税金の引き上げの憶測が広がる中、明日に予定されているスナク財務相の予算案発表を控え、ポンドの上値が重くなったようです。

豪ドルとカナダドルも対米ドルで下落し、昨日の上昇幅の一部を失いました。最も下落した通貨はNZドルで、ニュージーランド準備銀行の発言を受けて、約0.5%下落しました。

米ドルは上昇し、米ドルインデックスは約4週間ぶり高水準となる91.30付近まで上昇しました。特に安全資産の円に対して、米ドルは6か月ぶり高値106.92ドルまで上昇しました。

OPEC会合を控え、原油価格の下落加速

コモディティ市場に関しては、主要産出国による増産の可能性により、原油価格の上値が重くなっています。今週木曜日のOPECの政策会合では、日量50万バレルの増産が協議されます。サウジアラビアの自発的な減産期限が今月末に終了する中、OPEC加盟国が増産に合意した場合、原油価格上昇の勢いは失速するでしょう。

直近でのWTI原油先物、及びブレント原油先物は約0.1%下落して取引されています。

一方のゴールドは、米ドル高にもかかわらず、8か月ぶり安値1706.70ドルから回復しました。