デイリーマーケットコメント– FRBの緩和政策維持の姿勢で、米ドル下落

投稿日: 2021年3月3日20時21分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回り低下で米ドル急落、FRBは国債利回り上昇を注視
  • 経済の楽観的観測、国債市場の落ち着きで株価と米主要株価先物指数は上昇
  • 予算案への期待でポンドが上昇、ユーロ/ドルは21ドル台を試す展開

FRBの見解に若干の変更が見られ、債券市場は一段と安定

欧州、オーストラリア、及び他域の中央銀行が、株式市場や通貨市場にも影響を及ぼした国債利回りの急騰に注意を促した為、債券市場の安定は本日も継続しました。昨日までは、パウエル議長の見解により、FRBは国債利回りを容認すると見なされていました。

しかしながら、ブレイナード理事は最近の債券市場の混乱に、FRBが注視していることを示唆しました。昨日、外交問題評議会がバーチャル形式で開いたイベントの講演において、ブレイナード理事は、「我々の目標達成にむけたプロセス」を遅らせる無秩序な金融引き締めに懸念している見解を示しました。

ブレイナード理事は、FRBが長期国債利回りの急速な上昇を快く思っていないことを示した最初のFRBメンバーとなりました。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、一時的なインフレ上昇に反応しない為に、FRBは「今夏は新たな金融政策を実施するには忍耐が必要」と強調しました。

昨日のFRBメンバーの発言は、明日のウォールストリートジャーナルが開催するオンラインイベントでのパウエル議長の講演に布石を打った形となりました。本日前半に1.40%を割り込んだ米10年債利回りは、現在の所、今週のレンジ幅内の1.43%を上回って推移しています。

昨日の米株価の急落は材料視されず、世界の株価は上昇

FRBが冷静に警戒する姿勢を示す一方で、他の中央銀行は既に国債利回り上昇を明確に牽制しています。昨日、ECBのパネッタ専務理事は、イールドカーブのスティープ化は抑える必要があると発言し、国債利回り上昇を警戒するECBの他のメンバーの見解を支持しました。

中央銀行が緩和政策維持の姿勢を改めて示したことにより、本日のアジアとユーロ圏の株価は上昇しました。米主要株価先物指数も大幅に上昇してのオープンを示しています。

債券市場の安定に加えて、バイデン大統領による1兆9000億ドル規模の追加経済対策が承認に向けて前進していることも、市場のリスクオンの流れを後押ししました。

米ドルは底堅く推移、ポンドとユーロは主要水準達成が視野に

リスクオンの流れが強まり、本日は、安全資産の円とスイスフランは、対主要通貨で下落しました。昨日に約1か月ぶりの高値から下落した米ドルは、下落したものの、急落には繋がりませんでした。ドル/円は6か月ぶり高値となる107円台が視野に入りつつあり、ユーロ/ドルは1.21ドル越えを達成できていません。

ユーロ圏2月PMIが上方修正された場合、ユーロ/ドルは1.21ドル越えを達成する可能性があります。

豪ドルは、NZドルやカナダドルと同様に上昇幅を拡大させ、対米ドルで0.7840ドルに向けて上昇しました。本日に発表された豪第4四半期GDPの予想を上回る結果により、豪ドルは先週の大幅な下落の一部を回復しました。

本日最も上昇した通貨はポンドでした。本日後半には、スナク財務相による予算案の発表を控えて、ポンドは急騰しました。しかしながら、予算の大幅な増加はなく、増税の可能性が見られた場合は、ポンドは下落に転じるでしょう。