デイリーマーケットコメント–FRB議長の発言控え、国債利回りと米ドル上昇、株価下落

投稿日: 2021年3月4日20時25分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回りの再度上昇でリスクムードは不安定、米株価は再度下落
  • 債券市場の混乱で「オペレーションツイスト」観測上昇、FRB議長の発言に注目
  • コモディティ通貨は対米ドルでも上昇、ユーロとポンド下落

国債利回り上昇は、FRBの頭痛の種

債券市場の混乱はまだ沈静化していないようです。今週前半に弱まっていた国債売り圧力が、本日には再度強まり、世界の国債利回りが再度上昇しました。米国債利回りは、1.50%目前まで上昇し、豪国債利回りも1.80%まで上昇しました。本日には国債売り圧力が若干弱まり、利回りも下落したものの、投資家による国債売りは収まっていないことが明白です。より重要な問題は、中央銀行による対応が定まっていないことです。

FRB内での見解は、国債利回り上昇は健全な経済や大幅に引き締められていない金融市場の反映です。2020年6月の水準まで上昇している実質利回りに関しては、FRBの見解は当てはまるでしょう。金融市場の混乱や利回り上昇が継続すると、金融市場の引き締めが企業に影響を及ぼし始め、政府が大規模な国債を発行するコストも上昇します。

3月16日から17日にかけてのFOMC政策会合のブラックアウト期間に入る前に、パウエルFRB議長の発言が予定されていますが、本日の市場の動きにより、債券市場への対応を示唆することが予測されています。パウエルFRB議長は、GMT17:05のウォールストリートジャーナルのオンラインサミットで発言しますが、政策変更を公表するよりも、国債利回り上昇に前回よりも懸念を示す可能性の方が高いでしょう。

FRBによる説得によって、国債利回り上昇に歯止めがかかるか、2011年の「オペレーションツイスト」のような対応が必要になるかが注目されます。20011年には、FRBはイールドカーブコントロールの上昇を抑える為に、短期国債を売却し、長期国債を購入しました。

国債利回り上昇で株価再び下落

本日、国債利回り上昇が若干下落したにもかかわらず、世界の株価は概ね下落しました。中国、日本、及び香港市場は、2%以上下落しました。昨日の米株式市場では、株価は回復しませんでした。S&P 500は1.3%、ナスダック指数は2.7%値下がりし、共に二日連続の下落でした。米主要株価先物指数は前半の下落から回復しており、欧州株価の下げ幅が緩やかだったため、一段と上昇する可能性があります。

株式市場が注目しているのは、債券市場だけはありません。バイデン大統領が提出が追加経済対策案が上院で複数の課題に直面しています。民主党とバイデン政権は、1400ドルの個人向け一時金の受給資格を厳格化することに同意しました。しかしながら、上院での審議開始に遅延が生じています。

米ドル再度上昇、カナダドルはOPEC会合に注目

本日は、リスクオンの流れ後退により、米ドルが上昇しました。しかしながら、円とスイスフランは全面安となった為、国債利回り上昇懸念は、上昇幅を拡大させている株式市場に主に影響しているようです。米ドルは、対ユーロ、ポンド、円、及びスイスフランで上昇しました。直近の米ドルインデックスは、0.27%上昇しました。一方で、米ドルはコモディティ通貨に対しては、下落しました。コモディティ通貨は、コモディティ市場の見通し改善を反映して、上昇しています。

昨日に発表された英予算案は、サプライズの内容により、ポンド/ドルは1.40ドル台越えを達成しませんでした。市場はOPECプラスの政策会合の結果待ちの為、カナダドルは対米ドルで1.2650カナダドル付近で推移しています。OPECプラスが4月の増産に合意しない可能性が報じられ、原油価格が上昇しました。直近でのWTI原油先物は、61ドル台越えで推移し、ブレント原油先物は64ドル台越えを試す展開となっています。