デイリーマーケットコメント–国債利回り低下で楽観ムード回復、カナダ中銀の政策会合

投稿日: 2021年3月10日19時35分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回りは若干下落、ハイテク株は大幅に回復
  • 米消費者物価指数と米10年債入札を控えて、米ドル下落
  • カナダ中銀の政策会合―ハト派的見解はカナダドル下落に繋がる可能性

最近の国債需要は大幅に増加

債券市場の動向は、引き続き世界市場に影響を与えています。今週は、国債利回り上昇による米株式市場の混乱でスタートしました。その後、パニックは沈静化し、国債利回りの若干の下落は、市場に楽観的ムードを回復させました。ハイテク銘柄の回復により、ナスダック指数は約4%値上がりしました。特にテスラ株は約20%値上がりしました。

外国為替市場では、国債利回り上昇の若干の下落を受けて、米ドルが対主要通貨で下落しました。特に豪ドルは最も大きな恩恵を受けました。市場の楽観的ムードは、最近大幅に下落していたゴールドも上昇させ、最近の安値1680ドルが短期的な抵抗線を形成している期待も広がっています。

国債利回りの下落幅は大きくありません。米10年債は僅か5ポイントの下落に過ぎなかったにもかかわらず、市場のムードを完全に変えました。これにより、市場や特にハイテク銘柄が債券市場の動向に反応しやすいことが浮き彫りになりました。

調整の動きは継続の可能性?本日の経済指標に注目

経済回復への見通しが再度強まり、利上げ時期の前倒し観測も浮上しました。FRBが利回り上昇に懸念を示していない為、国債利回り上昇の継続は、今後の経済指標結果、及びワクチンニュース次第となるでしょう。

したがって、本日のイベントは、市場のパニック再開、或いは安定ムードの継続に大きく影響するでしょう。米2月消費者物価指数は、大幅な改善が予測されています。しかしながら、食品や燃料等のコアの消費者物価指数は、前年比1.4%増で横ばいが予測されています。

米ISM景況指数は、サプライチェーンの混乱、及びコモディティ価格の上昇を受けて、物価上昇圧力が強まっていることを示しています。したがって、本日の消費者物価指数が予想外の結果になる可能性もあります。その場合、FRBの金融正常化時期への再注目、及び国債利回りの再度上昇に繋がり、米ドル買いの圧力と株式の売り圧力が再度強まるでしょう。

特に重要なのは、GMT16:00の米10年債の入札になり、市場は10年債の需要を注視するでしょう。米10年債の入札が順調な結果となった場合、国債利回りは安定するでしょう。しかしながら、低調な結果となった場合、不安定な動きが強まるでしょう。当然ながら、米消費者物価指数の結果は、米10年債入札に重要な要素となります。

カナダ中銀は、利上げ観測を牽制する可能性

本日、カナダ中央銀行の政策会合が終了します。ロックダウンにもかかわらず、カナダ経済は想定よりも順調に回復し、底堅く推移しています。住宅市場の需要は増加し、原油価格は高騰しています。カナダ経済は、米追加経済対策案の承認の恩恵も受けるでしょう。

問題は、世界的な国債利回り上昇の影響により、カナダ10年債の利回りが2倍になっていることです。したがって、本日、カナダ中央銀行が非常に楽観的な姿勢を示した場合、国債利回りは一段と上昇し、貸付コスト上昇が景気回復の足を引っ張ることになるでしょう。市場は、既に年内利上げの可能性として20%を織り込んでいます。

カナダ中央銀行は利上げ観測上昇を阻止するために、当面の間の政策金利の据え置き姿勢を示す可能性があります。その場合、カナダドルは下落するでしょう。