デイリーマーケットコメント–株式市場は急落への懸念、米ドルは底堅く推移

投稿日: 2021年3月29日18時55分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • レバレッジを効かせたポジションの決済で、株式市場全体に警戒感
  • 今週のリスクは、米法人税引き上げの示唆
  • 外国為替市場は落ち着いた動き、米ドルは底堅く推移

リスク回避の売りにより、株式市場には警戒感

先週金曜日の世界株式市場は、最高値付近で引けたものの、荒い値動きとなりました。先週、米投資会社アルケゴス・キャピタルの取引に関連した金融機関の損失への警戒感が広がり、リスク回避目的の売りが出ました。不安定な動きは、金曜日の後半に投資家が状況を把握するまで継続しました。

不透明感が解消された後、買い圧力が強まりました。投資ファンドのパニック売りを受けて、投資家の間では、株価急落への警戒感が広がりました。しかしながら、アルケゴスによる売りはリスク管理不足の結果であり、市場全体には影響が及ばないことが認識され、株式を安値で買い戻す動きが加速しました。

本日の米主要株価先物指数は、ポジションの決済注文が残っている可能性により、下落してのオープンを示しています。四半期末のポジション調整も影響しているようです。今期では、株式が債券よりも遥かに好調だった為、株式と債券の固定割合を維持するファンドは、株式を売って債券を購入する可能性があります。

増税リスクは市場に影響する可能性?

株式市場の長期的な見通しは明るい模様ですが、短期的には複数のリスクに直面するでしょう。バイデン大統領は、今年後半までにインフラの大規模な財政刺激策の可決を推し進めようとしていますが、その財源として、法人税とキャピタルゲイン税を引き上げるでしょう。

民主党は、共和党の支持なしで、同法案も可決させようとしています。更に、最も財政的に保守寄りと見なされる議員も同法案を支持しているようです。法人税とキャピタルゲイン税引き上げによるインフラ投資は、経済全体としてはポジティブですが、市場の反応は異なるでしょう。

キャピタルゲイン税が早期に引き上げられると市場が解釈した場合、現在の安値で利益を確定する動きが見られ、市場の大幅な調整の動きに繋がるでしょう。法人税引き上げも織り込まれる為、株式のバリュエーションにも若干の影響が及ぶでしょう。

市場での単なる調整以上の動きに繋がるかは、疑問です。大幅な増税によって経済回復の鈍化に繋がるリスクは、民主党は回避するでしょう。更に、緊縮財政は、FRBによる利上げ時期を遅らせるでしょう。増税によって、ワクチン接種と大規模な財政刺激策による市場の楽観的ムードが後退することはないでしょう。

今週水曜日、バイデン大統領がインフラ計画の詳細を公表する予定です。

米ドルは底堅く推移、ユーロ/ポンドは急落

外国為替市場は、静かなムードとなりました。市場全体のリスクオフムードのより、米ドルは底堅く推移しました。今週の米ドルは、増税示唆の影響を受ける可能性がありますが、対ユーロや円への大局的な流れはポジティブでしょう。

結局の所、米国はワクチン接種や経済回復で欧州や日本を大きくリードしています。したがって、FRBがECBや日銀よりも数年先に金融正常化に移行する公算が大きいでしょう。今後、ユーロ/ドルの一段安の余地も残されています。

英国と欧州のワクチン接種状況が材料視され、ユーロ/ドルは再度下落に転じ、1年ぶり安値まで急落しました。

本日には、主要な経済指標発表は予定されていませんが、GMT16:00のウォラーFRB理事の発言が予定されてます。ウォラーFRB理事は最近FRBメンバーになったばかりで、投票権を保有している為、タカ派かハト派かを見極める為、市場の注目が集まるでしょう。