デイリーマーケットコメント–FRB議長の発言で米ドル高、四半期決算発表控え、株価は慎重な動き

投稿日: 2021年4月12日19時48分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米生産者物価指数の強い結果とパウエル議長の発言後で米ドル上昇
  • 国債入札控え、利回りは若干下落
  • 四半期決算発表、及び中国政府による金融引き締めへの慎重姿勢で株価は上値の重い展開

米ドルは上昇して今週をスタート

今週の外国為替市場は、比較的静かなスタートとなりました。先週金曜日に発表された米3月生産者物価指数の強い結果、及び週末中のパウエル議長の経済回復に関する発言は、米ドル上昇を後押ししました。過去1年間の市場の上昇要因となっている大規模な刺激策を当面の間は継続する見通しをFRBが改めて示したことにより、米ドルは先週の下落から回復しました。

先週木曜日に2週間半ぶり安値を記録した米ドルは、本日には緩やかに上昇し、直近の米ドルインデックスは0.15%上昇していました。米3月生産者物価指数は、前年比4.2%増となり、約10年ぶり高水準となりました。これにより、最近の米ドル安に歯止めがかかりました。今週に発表される指標で、最も注目を集める指標は、米3月消費者物価指数、及び米3月小売売上高になるでしょう。両指標が共に強い結果となった場合、米ドルが一段と上昇するでしょう。

パウエル議長の発言後の国債利回り安定、しかしながら、入札での予想外の動きに注意

米ドル上昇のもう一つの要因は、パウエル議長の発言でした。日曜日のCBSニュースのインタビューにおいて、パウエル議長は米経済は「変曲点」にあり、「経済成長や雇用がより急速に回復する」見通しを示しました。インフレに対しては、FRBは状況に応じて対応する慎重姿勢を維持しました。今週水曜日にも、パウエル議長の発言が予定されています。今後3週間にかけては、新政権の財源となる960億ドル規模の国債発行に市場の注目が集まるでしょう。

国債利回りは3月下旬から安定推移を維持していますが、十分な需要がない場合、今後の入札時に利回りが急騰する可能性もあります。

リスク要因が根強く残る中、楽観的観測で株価は上昇

当面の間、経済回復への楽観的観測が株価を下支えするでしょう。先週、ダウ工業株、及びS&P 500は最高値を更新して引けました。米国内の迅速なワクチン接種により、米国が他国よりも先に経済を再開できるとの見方により、循環株の回復が米株式市場の上昇に繋がりました。FRBが政策金利の据え置き方針を示していることも、インフレ上昇への懸念を緩和させています。

今週より米企業の四半期決算発表が開始する為、市場の慎重姿勢を反映し、本日の米主要株価先物指数は若干下落しました。

アジア株式市場は、全面的に下落して引けました。中国経済の急速な回復が金融引き締めに繋がる可能性が懸念され、中国株価が大きく下落しました。今週に発表される中国第1四半期GDPは二桁成長が予測されています。

規制緩和でポンド上昇、ゴールド再度下落

英国内の制限緩和により、ポンドの見通しは明るくなりつつあります。一方で、ユーロは二日連続の下落となっています。先週の雇用統計の強い結果により上昇したカナダドルは、本日には下落に転じました。緩やかなリスクオフの流れにより、円は殆どの通貨に対して上昇しました。

ゴールドは、先週に記録した1か月以上のぶりの高値からの下落幅を拡大させました。しかしながら、今後、ロシアとウクライナの関係が一段と緊迫した場合、米ドルが一段と上昇し、ゴールドが回復する可能性があります。