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米ドルは一段安
今月の米ドルの動きは、一段と悪化しました。昨日、複数のチャート上で、米ドルは他通貨に対して、重要なサポートラインを割り込んだ後、テクニカル上での下落圧力が強まっています。第二四半期での米ドルは、現在まで下落の動きが主流となっています。
米ドル下落には、3つの要因が考えられます。まず一つ目は、FRBが経済の過熱に過剰反応しない方針を明らかにしている為、翌年の利上げ観測が後退していることです。次に、欧州内でのワクチン接種スピードの改善があります。最後に、株式市場全体の楽観的ムードが考えられます。
最近のFRBが、政策金利の据置に明確な姿勢を示してる為、市場では、前四半期での利上げ観測に基づいた米ドルと国債利回りの上昇の調整の動きが見られます。ユーロ圏内でのワクチン接種スピードの加速により、再度のロックダウンへの懸念が後退し、経済回復への期待が浮上しています。
市場がこのような要因を既にどれくらい織り込み済みか、そして、ユーロ/ドルの一段の上昇余地があるかに市場の注目が集まるでしょう。テクニカル上では、ユーロ/ドルにとって、有利な状況となっています。しかしながら、米国の経済回復が欧州を上回る状況では、現在の流れが継続するかは疑問です。今後、経済状況の把握に繋がる重要な指標が発表される為、FRBが次の四半期までにテーパリングについて言及し始める可能性があります。一方で、ECBがテーパリングに言及するのはかなり先になるでしょう。
最も堅調推移した通貨はポンド
興味深いことに、米ドル安の恩恵を最も受けた通貨はポンドでした。英国関連のニュースがなく、リスクムードが不安定にもかかわらず、ポンド/ドルは心理的節目1.40ドルを上抜けました。最近は、ポンドと株価の動きの関連性は薄れている為、今後の動きには、注意が必要でしょう。
英国のポジティブな要因は、経済活動がほぼ再開し、成人人口の約60%が一回目のワクチン接種を終了していることです。しかしながら、ワクチンの質に問題があります。殆どの国民が変異株への効果が低いアストラゼネカ製のワクチンを接種しています。したがって、英国のワクチン接種プログラムは、米国ほどの効果は期待できません。更に、北アイルランドとスコットランドを巡る政治的リスクもあります。
株価下落、米企業の四半期決算に注目
昨日の米株式市場では、上昇スピードに若干の鈍化が見られました。テスラ車の衝突事故、及び仮想通貨の急落により、テスラ社の株価が3.4%値下がったことが影響し、米株式市場は最高値の水準から若干下落しました。
米企業の四半期決算が進む中、市場はより慎重ムードとなっています。楽観的観測は上昇し、四半期決算の強い結果が織り込まれる中、予想を下回る結果となった場合には、ネガティブな反応に繋がるでしょう。したがって、投資家が調整の動きの可能性を考慮して、慎重姿勢となるのも当然のことでしょう。
本日、ネットフリックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、及びロッキード・マーティンの四半期決算は、注視されるでしょう。
本日には、重要な経済指標の発表は予定されていません。明日のカナダ中央銀行の政策金利発表、及び木曜日のECB政策会合に注目が集まるでしょう。ECB政策会合では、現行政策の据置が予想されていますが、ユーロ圏の国債利回りとユーロの上昇への対応が注目を集めるでしょう。