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アルゴリズムの混乱、或いは注意を怠っていた投資家が古いニュースに反応?
昨日の株式市場は、奇妙な動きとなりました。バイデン政権が富裕層のキャピタルゲイン税率を倍近くに引き上げる提案を行う見通しが報じられ、米株式市場の終値は約1%下落しました。バイデン大統領は、キャピタルゲイン税率を現行の20%から最大39.6%までの引き上げを計画しているようです。
キャピタルゲイン増税は、目新しいニュースではありません。バイデン政権はこれまでにもキャピタルゲイン増税に言及しており、過去数か月間に渡って、多数のメディアでも報じられました。しかしながら、特に目を引いたのは、昨日にニューヨークタイムズが報じても反応しなかった株式市場が、ブルームバーグによる報道の数時間後には、急落したことです。
一体、何が起こったのでしょう。市場が繰り返し報じられたニュースを吸収し、トレードアルゴリズムに混乱が生じたのでしょうか?或いは、注意を怠っていた一部の市場参加者が古いニュースに驚いて反応したのでしょうか?どちらの場合でも、市場が周知の事実に過剰反応した可能性があります。
実際に市場が注目するのは、与野党が50議席を分け合う上院での法案可決の為に、課税率がどこまで縮小されるかになるでしょう。2022年に施行される場合、課税強化の回避の為、投資家が年内の売却を急ぐ動きが見られるでしょう。ポジティブな面は、現在の所、リターンにおいて株式に代わる資産がないため、投資家が株式を急いで売却しても、再度株式を補充することになり、株式市場のボラティリティが高まることです。
ユーロは荒い値動き
通貨市場では、ユーロの荒い値動きが継続しています。昨日のECB政策会合では、今後の方針での具体的な変更は示されず、目新しい材料はありませんでした。しかしながら、ECB政策会合後のユーロは下落しました。ECB政策会合では、タカ派メンバーがテーパリング着手を強く求めなかった為、テーパリング決定への期待は6月にずれ込んだようです。
しかしながら、ユーロ圏4月PMI指数の好調な結果で、本日のユーロは回復しました。規制強化でのビジネス展開方法を習得し、ロックダウン延長にもかかわらず、サービス業は底堅さを見せ、製造業は大幅に回復しました。
しかしながら、ユーロがポジティブな見通しになっているとは限りません。迅速なワクチン接種や大規模な財政刺激策で迅速な経済回復が期待される米国と比較すると、「状況はそれほど悪化していない」というメッセージに魅力は感じられません。
英経済指標の強い結果にもかかわらず、ポンドは下落
英3月小売売上高は、パンデミック前の水準を上回りました。3月中もロックダウンが継続していたことを考慮すると、今後の一段の回復が見込まれます。
4月にはビジネスが再開し、殆どの英国民が少なくとも1回目のワクチン接種を終了したことを考慮すると、今夏の英経済指標は強い結果が期待できるでしょう。英4月PMI指数の強い結果も、経済回復の明るい見通しを浮き彫りにしました。
しかしながら、良いニュースは既に織り込み済みだった為、ポンドの上昇には繋がりませんでした。
米4月PMI指数に注目
本日に発表される経済指標では、米4月PMI指数が市場の注目を集めるでしょう。GMT14:30には、ラガルドECB総裁の発言が予定されています。