デイリーマーケットコメント–FOMC政策と四半期決算発表を控え、米ドル回復

投稿日: 2021年4月27日19時05分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FOMC政策発表を控え、市場が様子見ムードとなる中、国債利回り上昇で米ドル回復
  • インフレ懸念が継続する中、米消費者信頼感指数、及び米国債入札に注目
  • 米企業の強い決算結果で、米株式史上最高値更新、しかしながら市場全体は様子見ムード

FOMC政策発表待ちの中、米ドル回復

明日にFOMC政策発表を控え、市場が様子見ムードとなる中、米ドルは回復し、上昇幅を拡大させました。明日のFOMC政策会合では現行の政策が据え置かれ、パウエル議長はテーパリングに早期に着手しない方針を改めて表明する模様です。しかしながら、米経済成長の明るい見通しが継続する中、パウエル議長がインフレへの現行の政策を維持させるかへの疑問が市場で浮上しています。

今週は現在までの所、多数の市場参加者は様子見姿勢を維持しており、市場のモメンタムに若干の鈍化も見られます。FOMC政策発表は市場の方向性に影響を及ぼしますが、今週に発表される経済指標、及び米7年債入札も注視されるでしょう。

米7年債入札の前回の時期は2月でしたが、低い需要が債券市場の売り圧力を強めました。そのため、同様の展開となった場合、明日のFOMC政策発表には注意が必要になるでしょう。本日に発表される米4月消費者信頼感指数が強い結果となった場合も、国債利回り上昇に繋がるでしょう。

感染拡大で円下落、米ドル回復にもかかわらず、ユーロとポンドは底堅く推移

過去数日間、国債利回りは緩やかな上昇を継続しています。昨日に対主要通貨で約8週ぶり安値まで下落した米ドルは、国債利回りの上昇により、下落が一服したようです。本日の米ドルインデックスは一段と上昇し、米ドルは特に対円で大幅に上昇しました。

本日、安全資産の円は、国内ニュースに反応し、下落しました。日本では第4波に直面する中、経済の中心となる4都道府県に緊急事態宣言が発令されました。日本は他国よりも感染拡大に比較的上手く対応してきたと見なされていたものの、今回の第4波により、米国や欧州日経済回復で遅れを取る懸念が大きくなりつつあります。

日銀の現行政策維持への市場の反応は、限定的でした。

米ドル回復により、豪ドルとNZドルも大幅に下落しました。市場がユーロ圏や英国の経済見通しを修正しつつある為、ユーロとポンドの下落は僅かに留まりました。

コモディティ市場では、チリでの炭鉱ストライキが供給懸念に繋がり、銅の先物指数が10年ぶり高値まで急騰しました。原油価格も上昇しました。インドの感染状況悪化が需要に影響する懸念にもかかわらず、OPECプラスが現行の需要見通しを維持した為、WTI原油先物、及びブレント原油先物は1%値上がりしました。

ナスダック指数が遂に回復、ハイテク企業の決算発表に注目

本日のアジア株式市場は、再び強弱混合の動きとなりました。昨日の米株式市場の最高値更新にもかかわらず、欧州の株式市場は概ね下落しました。S&P 500は最高値を更新し、ナスダック指数は2月以来の高値で引けました。国債利回り上昇がバリュエーション高騰に市場の注意を向けて以来、ハイテク銘柄の多いナスダック指数は下落基調となっていました。しかしながら、S&P 500の84%以上の企業の第1四半期決算が強い結果となり、ハイテク銘柄が買い戻されました。

更に、FRBは現行の緩和政策の維持を繰り返し強調しています。米国内の急速なワクチン接種も、感染収束後の経済見通しに繋がり、市場の懸念材料は見当たりません。

本日の米市場閉場後、マイクロソフト、アルファベット、GE,及びビサの第1四半期決算結果が発表されます。