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債券市場での新たな警告の兆しが見られる中、FOMC政策発表
FOMC政策発表を控え、国債利回りは上昇、米ドルは数週間ぶり安値から一段と回復しました。GMT18:00には、FOMC政策が発表され、その30分後には、パウエル議長の記者会見が予定されています。FRBがテーパリングの早期着手への懸念を緩和させてきた為、本日の政策発表では、現行政策、及びガイダンスの据え置きが予定されています。
現在のインフレ上昇は、一過性に過ぎないとのコンセンサスがFOMC内である模様で、過去数週間、FOMCメンバーはインフレに対して同じ見解を示してます。しかしながら、食料品価格、及びコモディティ価格の上昇継続は、インフレ見通しの上昇修正に繋がる為、市場は一過性とは見なしていないようです。今週、米10年物ブレークイーブン・インフレ・レートは、7年ぶり高水準を更新し、2.4%に向けて上昇しています。
債券市場にも動きがあります。昨日、米10年債利回りは急騰し、本日には1.65%を超えました。ユーロ圏国債利回りも上昇しました。過去1か月間、債券市場は静かな動きとなっていましたが、米経済の力強い回復が確実視される中、FRBの反応に市場が注目しているようです。本日の記者会見において、パウエル議長が米経済の力強い回復を認めた場合、FRBが2023年まで政策金利をゼロ付近で据え置くとは市場は解釈しないでしょう。
バイデン大統領の議会演説に注目
国債利回りを上昇させている要因は、インフレ上昇見通しだけではありません。バイデン政権の大規模な財政刺激策も、債券市場の動きに影響しています。本日、バイデン大統領は、上下両院合同会議で、就任後初めて演説します。2兆ドル規模のインフラ、及び雇用計画に加えて、最近明らかにされた1兆5000億ドル規模の「米国の家族のための計画」が柱となります。
富裕層や企業への影響により、バイデン大統領の提案には、賛否両方の反応が見られます。現在までの所、増税案は株価にネガティブな影響を及ぼしたものの、最終案での規模縮小期待により、市場の反応はまだ限定的です。しかしながら、バイデン大統領が新たな財政刺激策を打ち出した場合、国債利回りが一段と上昇するでしょう。
米企業の好調な四半期決算結果にもかかわらず、米株価は緩やかな上昇
株式市場は、バイデン大統領の提案よりも、FOMC政策や米企業の四半期決算に注目しているようです。米第1四半期決算の強い結果は、株価を若干上昇させたに過ぎませんでした。しかしながら、マイクロソフトやアルファベットの四半期決算発表に続き、アマゾンやツイッターの四半期決算も発表されると、市場の反応も変わるでしょう。
昨日、S&P 500とナスダック指数は下落して引けました。一方のダウ工業株は、僅かに上昇して引けました。
米ドル回復の一方で、円と豪ドル下落
外国為替市場は、米ドルインデックスの上昇が継続したものの、上昇勢いに失速が見られました。世界の他の地域に改善が見られる一方で、日本では、第4波の影響は最も深刻となり、経済回復の遅延に繋がる懸念により、円が下落しました。
豪ドルも下落しました。本日に発表された豪第1四半期消費者物価指数が予想を下回る結果となり、コアインフレが過去最低水準となった為、豪利上げは米利上げ後のかなり後になる見通しが一段と強まりました。
対米ドルで6週ぶり高値を維持しているカナダドルは、本日に発表されるカナダ2月小売売上高に注目するでしょう。