デイリーマーケットコメント–楽観的ムードで株価回復、米ドル下落

投稿日: 2021年5月18日19時29分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 感染の再拡大、及びインフレ懸念よりも経済回復期待が材料視され、株価回復
  • FRBのテーパリング懸念後退で米ドル下落、しかしながらインフレ上昇見通しでゴールド上昇
  • 欧州での規制緩和でユーロ、及びポンド上昇、カナダドルは6年ぶり高値

楽観的観測により、市場はリスクオン

本日は、アジアでの感染再拡大への懸念が後退しました。インド国内での新規感染者数の増加スピードに鈍化が見られ、欧州内では規制を緩和する国が増え、世界経済の順調な回復への期待が上昇しました。主要なセクターでのインフレ上昇の影響は継続するものの、FRBとオーストラリア準備銀行が緩和政策維持の方針を示している為、市場のリスクオンムードが強まりました。

株式市場は全面高となりました。アジア株式市場での堅調な動きの後、欧州株式市場は大幅に上昇してのスタートとなりました。米主要株価先物指数も上昇しています。ナスダック指数が上昇をリードしていますが、ダウ工業株も追随しています。先週に緩やかな上昇で引けた米株式市場は、今週は下落してのスタートとなっています。現在の所、株価の動きに繋がる目新しい材料はありませんが、「安値で購入」の流れが継続しています。

ゴールド市場は、財政刺激策、及びワクチン普及への期待が続いています。一方の米株式市場では、ポジティブなニュースが織り込み済みであり、バリュエーション高騰により多数の大手企業の銘柄は下落しました。ハイテク銘柄が他の銘柄よりもインフレ懸念に反応していることからも裏付けられます。

最近のインフレ上昇懸念にもかかわらず、FRBは量的緩和維持の方針を継続しています。そのため、当面の間は、市場はテーパリングへの懸念を考慮する必要はないでしょう。

米5月ニューヨーク連銀製造業景況指数は、物価上昇を示す最新の経済指標となりました。しかしながら、昨日、クラリダFRB副議長は、テーパリング開始時期について、「米経済に顕著な進展はなく、まだ目安に達していない」と発言しました。

米ドル下落、ユーロとポンドは上昇

明日に公表されるFOMC議事録は、FRBの現行政策への姿勢を一段と強化するでしょう。市場のインフレ懸念にもかかわらず、FRBがインフレ上昇は一過性に過ぎないとの見解を維持している為、国債利回りと米ドルの上値が重くなっています。

本日の米ドルは、対主要通貨で約3か月ぶりの安値まで急落しました。特に対ユーロ、ポンド、及びカナダドルでの下落は顕著でした。

本日のユーロ/ドルは、1.22ドル台を突破し、1.42ドルを試す展開となっています。ユーロ圏内のワクチン普及ペースの上昇、及び規制緩和を受けて、ユーロは先月初めより4%以上も上昇しました。ECBが緊急緩和措置の解除を早くも6月から計画する観測は、ユーロ圏国債利回り上昇だけでなく、ユーロ回復に繋がっています。FRBとは異なり、ECBが量的緩和維持を明確に示していないことも、対米ドルでのユーロの上昇幅を大きくさせています。

英国では、イングランド銀行がテーパリングに向けて一歩先進し、ポンド/ドルは2月の高値1.4235ドルに向けて上昇しています。今週、英国の新規感染者数は一段と減少しました。これにより、英国民は海外旅行、パブやレストランでの屋内飲食が可能になりました。英国内の一部地域でのインド株による感染拡大は、英政府の対応により、現在の所、市場の懸念材料にはなっていないようです。本日に発表された英雇用統計では、雇用の回復が既に始まっていることが明らかになりました。

カナダドルと豪ドルは一段高、ゴールドも上昇

その他の通貨では、カナダドルが対米ドルで6年ぶり安値まで急騰しました。市場では、カナダ中央銀行がFRBよりも早期利上げに着手するとの見方が一段と強まったようです。オーストラリア準備銀行が、賃金が3%以上上昇しない限り、利上げは実施されない方針を示唆したにもかかわらず、豪ドルも上昇し、対米ドルで0.78ドル台越えを達成しました。

国債利回りの低迷、及びインフレ上昇見通しは、ゴールド高の要因となっています。本日、ゴールドは4日連続の上昇となっており、3か月半ぶり高値1870ドルに向けて上昇を継続しています。