デイリーマーケットコメント–FOMC議事録発表待ちの中、インフレ懸念再燃

投稿日: 2021年5月19日19時01分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • インフレ上昇懸念で米ハイテク銘柄下落、FOMC議事録発表前の慎重ムード
  • 米主要株価先物指数は一段と下落、若干のリスクオフムードで米ドル回復
  • 原油価格下落でカナダドル回復、カナダ消費者物価指数に注目

根強く残るインフレ懸念

昨日、インフレ上昇懸念が再燃し、株価が下落しました。市場は、インフレ上昇、及びサプライチェーン問題による企業決算への影響を再認識したようです。米株式市場では、バリュエーションが高騰していた大手ハイテク企業の銘柄が最も大きな打撃を受けました。更に、市場全体で売り圧力が強まり、エネルギー、金融、及び産業株も値下がりしました。そのため、S&P 500は約0.9%値下がりしました。米主要株価先物指数が本日に下げ幅を拡大する見通しを示す中、欧州株式市場は大きく下落してのスタートとなりました。

資材不足、及びコスト上昇により、昨日の米住宅市場の経済指標は脆弱な結果となり、市場はムードを後退させました。木材価格の高騰は、多数の企業が懸念するインフレ上昇を浮き彫りにしました。

インフレ上昇への懸念が強まる中、GMT18:00に発表されるFOMC議事録は、特に注目を集めるでしょう。

インフレ上昇の兆しを裏付ける多くの材料にもかかわらず、FRBはインフレ上昇による政策変更を示唆していません。しかしながら、予想よりも急速に上昇するインフレに警戒感を示すFRBメンバーがいた場合、緩和政策は長く続かないと市場が解釈する可能性があるでしょう。

米ドル安定推移、国債利回り上昇でユーロ上昇

インフレ懸念の再燃を受けて、本日は、国債利回りが上昇しました。この動きにより、米ドルが3日ぶりに上昇したものの、国債利回りが最近のレンジ幅から抜け出すかは不透明です。

しかしながら、欧州の国債利回りは上昇を継続しています。本日、独10年債利回りは、2年ぶり高水準となり、最近1%を超えた伊10年債利回りは1.16%越えとなりました。

ECBが緊急購入プログラムの見直しに早くも6月に着手する見通しを示した為、ECBの国債購入枠の短期的な拡大は裏目に出ました。ECBが6月に予想外にハト派的方針を示す可能性があるものの、中途半端な方針は、債券市場にとってはネガティブな要因です。

国債利回り上昇により、ユーロは対米ドルで上昇を継続しています。急速なワクチン普及、及び規制の段階的な解除によって、今までの見通しが改善し、先月以来ユーロは上昇相場となっています。

直近のユーロ/ドルは1.22ドルを僅かに上回って推移しており、ポンド/ドルは1.4170ドル付近で推移しています。

コモディティ通貨下落、米国とイランの核協議により原油価格下落

コモディティ価格の上値が重くなったため、コモディティ通貨が急落しました。豪ドルは0.5%、NZドルは0.65%値下がりしました。カナダドルは0.2%値下がりし、緩やかな下落に留まりました。本日、原油、銅、及び鉄鉱石価格が下落しました。

昨日の下落に加えて、本日のWTI原油先物は約2%、ブレント原油先物は1.8%値下がりました。米国とイランの核協議が順調に進んでいることが原油価格の上値を重くしているようです。