デイリーマーケットコメント–米ドルの下落一服、ハイテク銘柄回復

投稿日: 2021年5月21日19時35分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • インフレ、及びテーパリングへの懸念が一段と緩和し、米ドルは3か月ぶり安値付近
  • 国債利回り低下がハイテク銘柄を上昇させ、米株価回復
  • コモディティ価格は下げ幅を拡大、仮想通貨からのローテンションが進む中、ゴール高継続

FRBによるテーパリンクへの誤ったサインで、米ドル下落

FOMC議事録では、インフレ上昇への若干の懸念、及び一部のメンバーによるテーパリング協議開始への前向き姿勢が明らかになりました。これにより、本日の市場では、インフレ上昇の中、テーパリング協議開始時期を巡る不透明感が一段と緩和しました。

しかしながら、FRBは資産購入スピードの減速を検討しているにすぎず、十分な経済指標結果が集まるまではテーパリングの決定はないと市場は判断したようです。

インフレ上昇はFRBの当初の予定よりも長引くとの懸念が、市場では根強く残っています。しかしながら、最近発表された米経済指標の若干弱い結果が、経済回復スピードの鈍化を示し、テーパリングの開始時期の見通しも調整されたようです。米4月非農業部門雇用者数は、市場が経済回復スピードの見通しを見直すきっかけとなったようです。

昨日に発表された米週次新規失業保険申請件数は、市場の予想よりも経済回復が長引く可能性を裏付ける結果となりました。米週次新規失業保険申請件数は、パンデミック後の最低水準まで減少しましたが、市場予想よりも増加しました。これにより、労働市場では、依然としてたるみ残っていることが浮き彫りになりました。5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数の脆弱な結果も、国債利回り低下に繋がりました。

本日、10年債利回りは一段と下落して、1.62%を割り込みました。本日前半の米ドルは、対主要通貨で3か月ぶり安値付近まで下落しました。その後の米ドルは、欧州セッション開始に向けて、若干回復しました。しかしながら、米ドルの下落基調は継続し、今週は下落して終える模様です。

ナスダック指数急騰、しかしながら、上昇スピード鈍化

昨日の米国債利回り低下は、米株価上昇に繋がりました。S&P 500は1%、ナスダック指数は1.8%値上がりしました。バリュエーションの高いハイテク銘柄は、長期国債利回りに反応する傾向があります。したがって、国債利回りの低下は、ナスダック指数を上昇させました。株式市場の動き自体は異常な動きではなく、FOMC議事録後のテーパリング観測に変更が見られなかったことは安心材料でした。

しかしながら、本日の株式市場では、上昇スピードが失速し、アジアと欧州株式会社は強弱混合の動きとなりました。米主要株価先物指数は、緩やかな上昇に留まっています。

ユーロとポンド上昇;仮想通貨急落でゴールド上昇

通貨市場では、ユーロとポンドが対米ドルで横ばい推移となっています。ユーロ/ドルは、1.2250ドルのレジスタンスラインを越えられず、ポンド/ドルは1.42ドル越えを達成する勢い不足のようです。これにより、米ドル下落圧力が弱まりつつあることが示されています。英4月小売売上高は、前月比9.2%増となり、前年比42.4%増でした。小売売上高の強い結果にもかかわらず、ポンド/ドルが1.42ドルを達成できない場合、保ちあい相場が形成されつつあるようです。

本日の豪ドルとNZドルは下落しました。原油価格が1か月ぶり安値まで急落したにもかかわらず、カナダドルは底堅く推移しました。メタル価格は先週の下げ幅を拡大させたものの、短期的な調整の動きの可能性がり、長期的な見通しは依然としてポジティブになっています。

一方のゴールドは上昇を継続しています。ゴールドは、1875ドル付近で推移し、今週を約2%上昇して終える模様です。今週、ビットコインや他の仮想通貨が売られたことにより、仮想通貨からゴールドへの資金流入で、ゴールド高が継続する可能性があります。市場全体でのローテンションが起きた場合、インフレへのヘッジによる最近のゴールド回復に加えて、ゴールド高が一段と加速するでしょう。