デイリーマーケットコメント–FRBは現行政策の維持、株価上昇、国債利回り低下

投稿日: 2021年5月25日18時56分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FRBがインフレ懸念を緩和させ、国債利回り再度低下、成長株上昇
  • 中国政府によるコモディティ価格抑制も、インフレ懸念緩和
  • 米ドルは約5か月ぶり安値付近まで急落、ユーロ/ドルは1.2250ドル台越え

FRBはインフレ懸念を緩和させ、市場は好感

インフレ上昇により、テーパリンク開始時期への市場の憶測が飛び交う中、昨日、FRBメンバーは現行政策の維持を改めて強調しました。価格を引き上げている一過性の要因が永久に続く可能性が懸念され、市場のリスクムードを後退させています。市場は、インフレ上昇をコントロールする為に、FRBが今後金融を一段と引き締める必要性を懸念しています。

最近の米消費者物価指数、及びPMI指数の強い結果は、FRBの方針変更には繋がらなかったようです。

ブレイナードFRB理事は、サプライチェーンやボトルネックに関連した物価圧力は、次第に弱まると発言しました。セントルイス連銀のブラード総裁は、パンデミックの継続中は、金融政策変更を協議する時期ではないとの見解を示しました。タカ派的と見なされるカンザスシティー連銀のジョージ総裁は、インフレ上昇のリスクを考慮し、債券購入ペースの減速を協議する時期が来ると発言しました。

今後数か月間、インフレが大幅に上昇しても、FRBは現行の政策を維持することを市場はより確信した模様です。米コアPCEデフレーターの発表前に、FRBメンバーがインフレ上昇リスクを緩和させる発言をしたことから、金曜日の指標発表後の市場の反応は大きくはならないでしょう。

国債利回り低下と共に米ドル下落、ユーロ上昇

インフレ上昇懸念の緩和により、低利回りの債権の魅力が低下し、本日の国債利回りは一段と下げ幅を拡大させました。米10年債利回りは1.60%を割り込み、ユーロ圏も含む世界的な国債利回りも低下しました。

ポジティブムードがリスク資産を押し上げる中、米ドルが国債利回り低下の影響を受けました。ユーロ高により、米ドルインデックスは約5か月ぶり低水準となりました。ワクチン普及、及び段階的な規制緩和により、ユーロ圏経済の見通し改善が継続し、ユーロが大幅に上昇し、ユーロ/ドルは1.2250ドル付近まで上昇しました。

ポンド/ドルも上昇しましたが、1.42ドル台は達成できていません。英国内でのインド型変異株の急拡大が経済再開計画に影響を及ぼし、ポンドの上値を重くしているようです。昨日、イングランド銀行のベイリー総裁がインフレ懸念を緩和させる発言をしたことも、ポンド上昇の勢いを鈍化させたようです。

主要なコモディティ価格の下落を受けて、リスク通貨の豪ドルとNZドルも若干下落しました。昨日、中国政府はコモディティへの過剰な投機が鉄鉱石、銅、及び鉄鋼価格高騰に繋がっていることを指摘し、投機的動きに注意を促しました。

複数の要因で株価上昇、ハイテク銘柄急騰

中国政府によるコモディティ価格抑制がコモディティ市場での大幅な下落を引き起こしたのか、短期的な調整の動きに過ぎないのかは不透明です。しかしながら、株式市場の上昇には繋がったようです。中国CSI300は3%以上も上昇し、欧州株式市場は大幅に上昇してのスタートとなりました。

コモディティ価格の下落見通し、及びFRBの量的緩和維持方針により、米株式市場では、成長株、及びハイテク株が上昇しました。ナスダック指数が最大の上昇幅となり、1.4%値上がりしました。一方、ダウ工業株は僅か0.5%上昇して引けました。国債利回りの低下は、今後のキャッシュフローの価値を上昇させる為、バリュエーションの高い成長株が買い戻されました。バリュエーションは、今後の歳入見通しを基に判断されます。