デイリーマーケットコメント–テーパリング観測、国債利回りは若干上昇、米ドルと株価下落

投稿日: 2021年5月27日20時09分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • クラリダFRB副議長に続き、クォールズFRB副議長も、テーパリング協議開始の可能性を示唆、しかしながら国債利回りは僅かな上昇
  • 株価下落の中、テーパリング観測により、米ドルは約1週間ぶり高値付近
  • テーパリング観測でゴールド上昇鈍化、イランの原油供給再開の可能性で原油価格下落

市場にパニックの動きは見られないものの、市場はFRBの方針変更の可能性に注目

昨日、テーパリング協議開始の観測により、市場のムードが若干後退しました。しかしながら、目新しい材料不足も、勢いに欠けた市場ムードに繋がりました。

クラリダFRB議長に続き、昨日には、クォールズFRB副議長も、テーパリング開始に向けて協議する時期が近付いていることを示唆しました。更に、クォールズFRB副議長は、「今後の前進に向けた対応の大幅な不足」を指摘し、方針変更は少なくとも数回の政策会合後になるとの見解を示しました。

クォールズFRB副議長の発言を受けて、米国債利回りは一段と低下しました。本日、欧州時間開始時の米10年債利回りは、1.59%まで低下しました。長期国債利回りは、3月の高水準から大きく低下した水準となっているものの、債券市場では、テーパリング協議開始観測へのパニックの反応は見られません。

株価は強弱混合の動き

現時点では、市場全体に大きな反応は見られず、欧州株式市場はほぼポジティブなスタートなりました。これにより、アジア株式市場での強弱混合の動きの後、市場ムードは改善したようです。しかしながら、昨日のハイテク銘柄の下落により、米主要株価先物指数は下落しています。

インフレ上昇、及び今後数か月間、FRBの追加刺激策を期待できない可能性により、大手ハイテク企業の株価下落が継続する可能性があります。直近でのナスダックのEミニ先物指数は、0.4%値下がりしました。一方のS&P 500先物指数は、0.15%下落しています。

全体的に、市場はインフレ上昇、及びテーパリングへの懸念をコントロールした上で、物価上昇は一過性に過ぎないとのFRBの見解を支持しているようです。

米中関係に再び注目;原油価格は米国とイランの核協議が焦点

今年末には、トランプ大統領が締結した第一段階の米中通商合意の期限が切れる為、米中関係に再度注目が集まっています。昨日、バイデン政権発足後初めて、米国と中国が閣僚級の通商協議を開催しました。関係悪化のリスクはないものの、議論は平行線をたどった状況となりました。米国側は、中国との熾烈な競争段階に突入したと述べ、バイデン政権下でも貿易摩擦が緩和しない可能性が浮き彫りとなりました。

米中関係悪化の懸念は、ゴールド上昇に繋がったようです。国債利回り回復により、1900ドルを割り込んだゴールドは上昇しました。一方の原油価格は、イランの原油供給再開の可能性により、下落しました。WTI原油先物指数は、3月以来初めて67ドルを割り込みました。

翌週のOPECプラス会合前に、米国とイランの核協議結果が発表された場合、OPECプラス会合の決定に影響を及ぼすでしょう。

米ドル堅調推移、ユーロ安定推移、ロックダウンで豪ドルは横ばい推移

通貨市場では、米ドルは昨日の上昇幅を維持し、米ドルインデックスは僅かに上昇しました。昨日、ECBが6月の政策会合でのテーパリング観測を後退させた為、ユーロの上値が重くなりました。ユーロ/ドルは、1.2190ドル付近で推移しています。ポンド/ドルは、直近では1.4117ドルで取引されていました。

昨日、ニュージーランド準備銀行が翌年の金融正常化を示唆し、NZドルが上昇しました。本日のNZドル/ドルは、0.73ドル台を試す展開となっています。一方の豪ドルは、横ばい推移となりました。ビクトリア州の7日間のロックダウンにより、豪ドルは、豪第1四半期民間設備投資の強い結果による上昇幅を失いました。