デイリーマーケットコメント–国債利回り低下、株価上昇、FX市場は横ばい推移

投稿日: 2021年6月9日19時43分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回りの予想外の急落は、インフレ懸念の緩和を示唆
  • 米株価最高値付近、ユーロ圏、及び米消費者物価指数待ち
  • 米ドル安定推移、カナダ中銀の政策会合を控え、カナダドル上昇

米国債利回り平坦化

国債入札での強い需要、安全資産上昇、及びインフレ懸念の緩和が国債市場の急騰に繋がり、昨日の国債利回りは予想外に低下しました。米10年債利回りは1.513%まで低下し、1か月ぶり低水準となりました。米30年債利回りも急落し、ユーロ圏、豪、及び日国債利回りも大きく動きました。本日、米国債市場では、10年債と3か月債の利回り格差、及び10年債と2年債の利回り格差が3月以来最も縮小しました。

通常、国債利回りの平坦化は、経済成長、及び物価上昇圧力の低下傾向を示します。3月後半より開始したインフレ上昇懸念の後退が、国債のイールドカーブの平坦化の主要因のようです。パンデミックに対応する為の財政刺激策の実施後、大幅にスティープ化した米国債のイールドカーブは、昨年の夏以来初めて、大きく平坦化が進みました。

経済指標結果が発表されるにつれて、市場はFRBと同様の見解を織り込みつつあるようです。

明日に発表される米5月消費者物価指数は、FRBの同様の見解維持が可能かを見極める為、市場は注視するでしょう。しかしながら、当面の間は、主要国の中央銀行がテーパリングに急がないとの見方を市場は維持しているようです。

国債利回り低下を受けて、米株価上昇

国債利回り低下を受けて、ハイテク株や成長株が上昇しました。株式市場の流動性増加によるバリュエーションの急騰を唯一正当化するのは、国債利回りの低下になります。この流れを受けて、ナスダック指数も上昇しています。

昨日のナスダック指数の終値は0.3%上昇しました。一方、S&P 500は、横ばい推移のまま引けました。本日、ナスダック指数の先物指数が最も上昇して推移しています。

しかしながら、本日の世界の株式市場は、概ね下落しました。今週の市場は、方向性が定まっていないようです。

昨日の世界各地での大規模なネット障害により、一部の市場参加者が慎重姿勢となり、市場のリスク回避の流れを若干強めました。これにより、債券の需要も増加したようです。

国債の買い圧力が過度に強まっている兆しが見られます。明日にECB政策会合と米消費者物価指数も発表されることから、市場での急激な調整のリスクも考えられます。

FX市場は静かな流れ、ポンドとカナダドル回復

米ドルは、昨日の米4月JOLT求人の強い結果にほぼ反応しませんでした。

今週のユーロも、狭いレンジ幅内での取引となっており、直近のユーロ/ドルは1.2185ドルで取引されていました。明日のECB政策会合では、ハト派的見解が引き続き示されるようです。したがって、ユーロ/ドルの1.22ドル台越えの公算は小さいでしょう。

一方、イングランド銀行は英経済回復に大きな自信を見せているようです。本日、イングランド銀行のチーフエコノミスト、ホールデン氏は、量的緩和縮小の可能性を示唆しました。ホールデン氏の発言を受けて、ユーロ/ドルは1.4180ドル台越えを達成しました。

カナダドルも上昇し、対米ドルで1.2090カナダドルまで値を切り上げました。GMT14:00には、カナダ中央銀行の政策発表が予定されており、好調なカナダ経済を反映した見解が予測されています。