デイリーマーケットコメント–FRBのタカ派へのシフトで株価下落、米ドル高一服

投稿日: 2021年6月21日19時57分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FRBのハト派メンバーのブラード氏に2022年の利上げの可能性を示唆し、米株価下落
  • 米ドルは若干の下落、ゴールドは回復
  • 今後の動きは、パウエル議長を含むFRBメンバーの発言内容次第

米国債のイールドカーブ平坦化に市場が反応

本日は、米国債のイールドカーブの平坦化が一段と進みました。市場では、利上げ見通しの再調整の動きにより、イールドカーブのスティープ化を見込む取引の解消を強いられ、その一方で長期国債利回りが押し下げられました。市場は、先週にFRBが示唆した2023年での二度の利上げを受け入れつつあるようです。前回の方針では、2024年までの据え置きが示されていた為、大きな方向転換となります。

更に、先週金曜日には、セントルイス連銀のブラード総裁がCNBCのインタビューにおいて、2022年後半の利上げの可能性に言及しました。ブラード総裁は、ハト派寄りメンバーと見なされており、今年度ではなく2022年度の投票権を保有しています。ブラード総裁の発言は、米株価の下落に繋がり、ダウ工業株は1.6%、S&P 500は1.3%値下がりしました。一方、ナスダック指数は、長期国債利回り低下の影響を受け、下げ幅は緩やかとなり、0.9%の値下がりとなりました。

FRBのタカ派への路線変更を受けて、市場でのインフレ懸念が後退し、米10年債、及び30年債の利回りは低下しています。FOMC政策会合後のインフレ予想は大幅に低下し、長期国債利回りの動きも反映されています。

2022年の利上げの可能性は、本日のアジア市場にも影響を及ぼし、日経平均株価は3.3%の値下がりとなりました。しかしながら、パニックの動きに沈静化の兆しが既に見えつつあり、欧州取引時間が開始すると、米主要株価先物指数は上昇に転じました。これにより、欧州の主要株価も上昇しています。

米ドル下落、ゴールド回復

本日の通貨市場では、FOMC政策会合によって約2%上昇した米ドルの勢いに失速が見られ、他の通貨が回復しました。米ドルインデックスは、先週金曜日の2か月ぶり高水準を若干下回る水準で推移しています。ユーロとポンドは約2%上昇しました。安全資産の円とスイスフランには、強弱混合の動きが見られ、米主要株価先物指数の上昇とは対照的に、リスクオンムードの回復が依然として脆弱であることが浮き彫りとなりました。

しかしながら、リスク通貨の豪ドルとNZドルが、鉄鉱石等のコモディティ価格の低迷にもかかわらず、順調に回復しました。

本日は、原油とゴールドにとっては、ポジティブな日となりました。先週金曜日のイランの大統領選挙では、保守強硬派のライシ師が選出され、米国とイランの核協議の合意締結の可能性が後退しました。これを受けて、本日のWTI原油先物、及びブレント原油先物は上昇幅を拡大させました。

米ドルの若干の下落、及び長期国債利回りの低下により、ゴールドは1%以上上昇し、1780ドル越えとなりました。

今後の動きはFRBメンバーの発言内容次第

ゴールド高の継続は、今後数日内の米ドルの動き次第となるでしょう。今週には、多数のFRBメンバーの発言が予定されており、米ドル相場に影響する模様です。

GMT13:30には、ダラス連銀のカプラン総裁とセントルイス連銀のブラード総裁が公的通貨金融機関フォーラムに出席予定です。GMT19:00には、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が発言予定です。しかしながら、市場の最大の関心は、明日のGMT18:00に予定されているパウエル議長の新型コロナウイルス危機を巡る証言に向けられるでしょう。

GMT14:15には、欧州議会でのラガルドECB総裁の証言も予定されており、ユーロ相場を動かす可能性があります。明日にイングランド銀行の政策会合を控え、ポンドは様子見ムードとなる模様です。