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デイリーマーケットコメント–米ドル安で豪ドルとNZドル上昇、原油価格一段高

• 豪中銀が資産購入枠の縮小を発表後、豪ドル急騰
• 米ドル安、及び利上げ時期の前倒し観測で、NZドルも急騰
• OPECプラス会合で増産合意には至らず、原油とゴードル価格上昇

豪中銀は量的緩和縮小を決定したものの、利上げにはハト派的姿勢、豪ドルは上昇

本日の政策会合において、オーストラリア準備銀行は大規模な金融緩和からの出口に向けて一歩を踏み出しました。豪経済が当初の予想よりも強く回復している為、オーストラリア準備銀行は、資産購入枠の縮小を決定しました。しかしながら、2024年までの政策金利の据え置きも明らかにし、楽観的ムードに傾き過ぎないように努めました。

オーストラリア準備銀行は、豪経済の回復は、金融緩和を縮小できる水準に達していると判断しているようです。しかしながら、最近のロックダウン実施は、金融正常化計画に影響を及ぼし、政策金利にはハト派的姿勢が見られました。

オーストラリア準備銀行の政策発表後、市場は方向性を見極める為に、豪ドルは乱高下しました。豪経済が堅調に回復する限り、政策金利政策も変更する可能性が材料視され、荒い値動きの後、豪ドルは上昇に転じました。米ドルの緩やかな下落も、豪ドル上昇の追い風となりました。

NZ中銀の利上げ時期前倒し観測で、NZドル急騰最近の米ドル安の恩恵を最も受けた通貨は、NZドルです。NZ第2四半期企業景況感指数の強い結果は、需要増加、労働者不足、及びインフレの一段の上昇を浮き彫りにし、ニュージーランド経済の力強い回復を裏付けました。

市場は迅速に反応し、利上げ時期の予想は今年11月と2022年春に前倒しされました。ニュージーランドは、利上げに踏み切る最初の国の一つになるでしょう。

翌週のニュージーランド準備銀行の政策会合では、4月後の利上げに前向き姿勢を示すかが注目されるでしょう。NZドル相場の短期的見通しは、来週の政策会合結果次第になります。

大局的な流れとして、ニュージーランド経済の見通しは明るいでしょう。ニュージーランドは、供給ショックを需要危機として対応し、大規模な財政刺激策を実施した場合の典型的な例を示すでしょう。経済回復に供給が追い付いていない中、インフレが一段と上昇しています。現段階では、ニュージーランド準備銀行は、最もタカ寄りの中央銀行の一つとなるでしょう。したがって、NZドルは、円やスイスフラン等の低金利通貨に対して上昇するでしょう。

OPECプラス会合で増産合意に至らず原油価格上昇、ゴールドも上昇

コモディティ市場も楽観的ムードとなっています。昨日、OPECプラスの会合では、アラブ首長国連邦の反対により、増産の合意には至りませんでした。会合結果を受けて、原油価格は急伸しました。今後新たな合意がない限り、現行水準の据え置きとなります。そのため、短期的に供給が増えない為、原油価格の上昇は継続するでしょう。

WTI原油先物指数は、過去のレジスタンスライン77ドルを試す展開となっています。77ドルは2018年の高値であり、2012年の安値である為、大きなテクニカル上のレジスタンスラインとなります。

ゴールド価格も、重要な水準となる1795ドルを上抜けました。中央銀行によるゴールド保有高増加に加えて、最近の米ドルや米国債利回りの低下も、ゴールド上昇の追い風となりました。量的緩和、及び米ドル安は、ゴールド高の要因です。しかしながら、FRBを含む複数の中央銀行が金融緩和からの出口に向けて動き始める中、ゴールド高は緩やかに終わりに近づきつつあるでしょう。

本日、市場の最大の関心は、米6月ISMサービス業PMIに向けられるでしょう。