デイリーマーケットコメント–米四半期決算発表控え、米株価最高値更新、米ドル堅調推移

投稿日: 2021年7月13日20時08分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米企業の決算発表控え、四半期決算への期待で株価最高値更新
  • FX市場のリスクムードは依然として不安定、米ドルと円は底堅く推移
  • 今後の市場ムードは、米消費者物価指数、及びパウエル議長の議会証言次第

経済再開効果への期待で、米株価最高値更新

本日より、米企業の第二四半期の決算が発表されます。経済再開により、好調な決算結果への期待も上昇しています。最初の決算を発表する米企業は、JPモルガンチェース、及びゴールドマンサックスで、米市場開始前に発表される予定です。

ワクチン普及によって経済再開も加速し、企業収益回復が見込める為、四半期決算が市場予想を上回る可能性も期待されています。昨日、S&P 500、ダウ工業株、及びナスダック指数は全て二日連続で最高値を更新して引けました。4.4%値上がりしたテスラ株が上昇を主導しました。

本日の欧州株式市場は、強弱混合でのスタートとなりました。米主要株価のEミニ先物指数も若干下落して推移しています。一方、アジア市場は、中国の貿易関連指標の強い結果が成長鈍化への懸念を緩和し、株高の流れとなりました。

米ドルと国債利回りは、米消費者物価指数、及びパウエル議長の議会証言に注目

米議会でのバイデン政権のインフラ計画を巡る協議進展の報道も、株高要因に繋がった模様です。通貨市場は、今週の米経済指標、及びパウエル議長の議会証言に注目する模様です。

パウエル議長の証言内容が市場の混乱を引き起こす公算は小さいですが、テーパリングに関する発言には市場は敏感に反応するでしょう。明日のパウエル議長の議会証言前には、本日のGMT12:30に発表される米6月消費者物価指数に向けられるでしょう。

米6月消費者物価指数の市場予想は、前年比4.9%増です。しかしながら、市場予想を若干下回るリスクがあり、この場合は、国債の需要増加で利回りが再度低下する可能性があります。

米10年債利回りは先週後半に安定し、1.36%付近まで回復しています。国債利回りが再度低下した場合、最近は米ドルと利回りのポジティブな相関関係が見られない為、米ドルの反応は不透明です。

NZ利上げ観測上昇で、NZドル上昇

明確なのは、リスク通貨は、リスクオンでもリスクオフでも需要がある米ドルに対しては、下落基調となっていることです。早くも今年11月の利上げ観測が上昇しているにもかかわらず、NZドルは対米ドルで上値が重くなっています。

明日には、ニュージーランド準備銀行が金融政策を発表する予定です。ニュージーランド準備銀行が市場の利上げ予想を支持しない方針を示すと、NZドルの下落に繋がるでしょう。

米ドルは、対主要通貨で若干上昇しましたものの、対円では横ばい推移となりました。豪ドルとNZドルは、対米ドルと円で上昇しました。一方、ユーロとポンドは全面安となりました。

コモディティ市場では、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が合意していないにもかかわらず、原油先物指数は0.8%上昇しました。ゴールドは最近のレンジ幅内での取引となり、1800ドルを僅かに上昇して推移しています。