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パンデミック懸念が市場に影響
昨日、デルタ変異株の感染拡大による世界経済への影響が再度懸念され、リスク資産が下落しました。変異株はワクチンへの耐性が高いため、ワクチンだけでは感染が終息しないことを市場は認識し始めたようです。
多数の国では、ワクチン接種の躊躇が集団免疫確率の妨げとなっている一方で、発展途上国では、ワクチン不足によりロックダウンが回避できない状況となっています。したがって、パンデミックは長期間継続する公算が大きくなりつつあります。
一連の動きは、懸念の局面に入ったことを示しています。米株価は急落しましたが、パンデミック時の典型的な動きの通り、ハイテク株や成長株は、バリュー株やオールドエコノミー株程の下落にはなりませんでした。市場が経済成長を懸念する時は、ロックダウン時でも成長が見込めるハイテク株の需要が増加します。国債利回り低下により、極端なバリュエーションもより妥当な価格になっています。
最も大きく動いたのは、原油価格でした。利益確定売り、或いは空売りにより、原油価格は約7%値下がりし、原油価格に敏感に反応するカナダドルを押し下げました。需要見通しが悪化する中、OPECプラスによる段階的増産により、供給不足がどれくらい継続するかに疑問が生じています。
市場は見極め姿勢
コモディティ通貨の下落により、米ドルと円等の安全資産が上昇しました。米ドル高の流れにもかかわらず、米国債利回り低下が材料視され、ゴールドも回復しました。現在、米国債利回りは過去最低水準付近まで低下しています。
本日には、殆どの資産が安定し、市場には落ち着きが戻っています。しかしながら、嵐が完全に過ぎ去ったと断定することは困難でしょう。市場ムードは、大きく動くことがあります。
市場にとってポジティブなことは、予想通り、感染拡大が経済回復の遅延に繋がった場合、主要国の中央銀行は、金融正常化計画を先送りし、財政刺激策を延長するでしょう。パンデミックの危機が示したように、大規模な財政刺激策、及び量的緩和は、金融市場にとって、ウイルス懸念を征服する万能薬となることです。
したがって、FRBが市場のパニックを認識し、緩和に努めるまで、どれくらい状況が悪化するかに市場が注目するでしょう。
豪ドルとNZドルは一段安
本日、唯一安定しなかった通貨は、豪ドル、NZドル、及びポンドでした。コモディティ価格の下落、オーストラリア国内のロックダウン延長、テーパリング撤回の可能性浮上により、豪ドルは下落しました。
翌月の利上げ観測が根強く残っているものの、NZドルも下落し、サポートレベルを割り込みました。ニュージーランドでは感染拡大が抑え込まれており、最近の経済指標結果は力強い経済回復を示しています。しかしながら、NZドルの下落は、世界経済が鈍化する中での利上げには、慎重姿勢が必要なことを示しています。
英株式市場が落ち着きを取り戻したにもかかわらず、ポンドも上昇には繋がりませんでした。英国内の新規感染者数は増加傾向にあります。ワクチン接種により入院率は依然として低いものの、英保健相は今後の状況悪化に注意を促しています。
イングランド銀行のハト派的見解も、ポンド安の一因となりました。昨日、イングランド銀行金融政策委員会の次期委員に就任するキャサリン・マン氏は、早期テーパリングを支持しない姿勢を明確にしました。
本日には、ネットフリックス、及びユナイテッド航空の四半期決算が発表されます。