デイリーマーケットコメントー国債利回り低下で円高、豪政策金利据え置き

投稿日: 2021年8月3日19時07分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 国債利回り低下で、円上昇、株価下落
  • ウォーラーFRB理事が9月テーパリングに言及
  • ロックダウンにもかかわらず、豪中銀はテーパリング計画を維持し、豪ドル上昇

国債利回り低下で円上昇

過去数か月間、頻繁に債券市場に影響したリスクオフムードが再度戻り、あらゆる市場での警戒感が高まりました。国債利回りは一段と低下し、実質的なマイナスリターンにもかかわらず、安全資産への資金流入が浮き彫りになりました。

債券市場は今後の見通しにより動いているのか、或いはテクニカル上の要因が影響しているのかが注目されます。

デルタ変異株による感染拡大が大きく影響していることは、確実です。中国でも感染が拡大し、ワクチン接種率の低い国での経済回復鈍化の見通しが強まりました。これにより、中央銀行は大規模な国債購入を継続し、一部の大手金融機関も債券購入を余儀なくされるでしょう。

国債利回り低下がどれくらい経済状況を反映しているのか、及びどれくらいが中央銀行の政策による反応なのかを判断することは困難です。現在の所、世界の国債利回り低下は、円高の流れに繋がっています。円は最も金利の低い通貨の一つである為、国債利回りが低下すると、金利差の縮小により、円がより魅力的な通貨となります。

株価は下落したものの、パニックの動きはなし

今回のリスクオフムードのきっかけとなったのは、米7月製造業PMIの結果でした。米7月製造業PMIの市場予想を下回る結果を受けて、世界の製造業鈍化への懸念が強まりました。

市場の警戒感は、株式市場にも波及し、S&P 500は前半の上昇幅の一部を失い、下落して引けました。原油価格も下落しました。米7月製造業PMIの結果は59.5で、依然として高い水準であり、米7月マークイット製造業PMIは最高水準となっていることから、市場が過剰に反応した可能性があります。

リスクオフムードのもう一つの要因は、ウォーラーFRB理事のタカ派的発言です。ウォーラーFRB理事は、今後数回の雇用統計が強い結果となった場合、9月のテーパリング発表の公算があると強調しました。

ウォーラーFRB理事の発言は、どのFRBメンバーよりも明確でした。ウォーラーFRB理事は、テーパリングが開始できる経済状況、及びテーパリング開始時期を示しました。FOMCでの投票権を保有しているウォーラーFRB理事の発言に、市場は反応しました。ウォーラーFRB理事の発言後、米ドルは上昇したものの、緩やかな上昇に留まりました。市場では、FRBはテーパリング開始に急がないとの認識が根強く残っています。今週に発表される米雇用統計が強い結果となった場合、一段と大きな動きに繋がる可能性があります。

豪中銀はテーパリング計画を維持

外国為替市場では、オーストラリア準備銀行が政策金利の据え置きを発表しました。過去数週間の経済成長鈍化の兆しにもかかわらず、債券購入削減の方針は維持されました。

今回の政策会合では、オーストラリア準備銀行は現行政策を維持するものの、必要に応じて対応する用意があることが示されました。市場では、テーパリンク撤回が予想されていた為、豪ドルが上昇しました。

一方で、ニュージーランド準備銀行は、住宅市場の過熱緩和の為、住宅ローン融資基準の厳格化の方針を発表しました。これを受けて、NZドルが上昇しました。

本日には主要な経済指標発表が予定されていませんが、明日のNZ第2四半期雇用統計に注目が集まるでしょう。この経済指標は、8月18日のニュージーランド準備銀行の政策会合前の最後の重要な経済指標になります。今月の政策会合での利上げの可能性は、80%となっています。