デイリーマーケットコメントー米ドルは米消費者物価指数に注目

投稿日: 2021年10月13日19時16分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米消費者物価指数、及びFOMC議事録発表控え、王者米ドル復活
  • 短期国債利回り上昇で、株安の流れ継続
  • 米企業決算シーズン開始、ゴールド回復、原油高一服

米利上げ観測で米ドル上昇

本日のメインイベントは、FOMC議事録公表の数時間前に発表される米9月消費者物価指数となるでしょう。米9月消費者物価指数、及びコア指数は共に前年比で堅調な数値が予測されています。サプライチェーンの混乱がインフレを上昇させている為、かなり高い水準となる見通しです。

FOMC議事録では、来月の実施が市場でほぼ織り込まれているテーパリング期間についての情報がより明確となるでしょう。しかしながら、より重要なのは、インフレが一過性に過ぎないのか、或いは長期化するのかの議論となります。インフレ見通しがパンデミック後最初の利上げ時期に影響します。

市場では、インフレ長期化の見方が強まっています。サプライチェーン混乱は依然として解決には至らず、エネルギー価格は急騰しています。米国内のインフレ上昇見通しの強まりを受けて、翌年の米利上げ観測が上昇し、米ドルを押し上げています。現在、翌年7月までの利上げの可能性は、約50%となっています。

米ドルの見通しは明るく、特に対ユーロと円では上昇基調となるでしょう。米国は、国内供給、及び米政府の追加財政政策により、エネルギー危機による大きな打撃を回避する模様です。米経済の堅調な回復を背景に、ECBや日銀とは異なり、FRBはインフレ対応の為、利上げを実施することができるでしょう。

米株式市場は、米企業決算発表待ち

昨日の米株式市場は、荒い値動きの後、下落して引けました。米利上げ観測により、米短期国債利回りとテクノロジー株が下落しました。早期利上げを市場がおりこむと 、バリュエーションの高い銘柄は、大きな打撃を受けます。バリュエーションの高い銘柄は、主にハイテク産業や大きく成長している産業に集中しています。

過去数週間の米株式市場は、かなり荒い値動きとなっています。国債利回り上昇に加えて、サプライチェーン問題が解決するまでは、経済成長鈍化とインフレが企業収益に影響する懸念もあります。テクニカル指標上では、最近のS&P 500は100日平均線を下回り、高値切り下げと安値切り下げが見られました。

米企業決算発表シーズンの開始により、サプライチェーンの混乱緩和までどれくらいかかるかの目安がわかるかもしれません。本日、デルタ航空、ブラックロック、及びJPモルガンの四半期決算が発表されます。物資不足や物流遅延よりも、消費や金融機関を取り巻く環境改善に注目が集まる為、市場にとってはポジティブな要因となるでしょう。

ゴールド回復、原油高一服

コモディティ市場では、米ドル高、及び国債利回りの上昇にもかかわらず、過去数セッションのゴールドが底堅く推移しています。本日の米消費者物価指数が予想外の結果となった場合、ゴールドの動きに影響するでしょう。脆弱な結果となった場合、国債利回りと米ドルが下落し、ゴールドは上昇するでしょう。

各国の中央銀行が出口戦略に向けて動き出し、米ドルが他通貨よりも上昇する中、ゴールドの長期的な見通しはネガティブになっています。11月頃から開始が予想される季節的要因によるゴールドの上昇局面を控え、ゴールドは底堅く推移しています。

今週に7年ぶり最高値を更新したゴールドは、上昇が一服した模様です。天然ガス、及び石炭価格の上昇が原油の需要を増加させました。EUとイランの協議により、原油高が落ち着く可能性もあります。

明日には、中国9月消費者物価指数が発表されます。世界経済への影響を見極める為、エネルギー不足による企業のコスト上昇に市場が注目するでしょう。