デイリーマーケットコメントーエネルギー危機への懸念緩和で、楽観ムード復活

投稿日: 2021年11月2日20時27分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • エネルギー価格下落が国債利回り低下に繋がり、米株価最高値更新
  • 豪中銀は総理利上げ観測を後退させ、豪ドル下落
  • 政策会合を控え、米ドル、ポンド、及び原油価格は慎重な動き

米株価は最高値更新

昨日の米株式市場は最高値を更新して引け、米株価の上昇相場が継続しています。米企業の好調な決算結果に加えて、エネルギー危機改善の兆しも、株高に繋がったようです。

供給不足を補う為に、中国政府が国内生産を増加させた為、石炭価格が急落し、天然ガス価格も下落しました。エネルギー価格の下落がインフレ上昇に歯止めをかけると、インフレ対応の為の早急な利上げ観測が後退し、短期国債利回りが低下しました。

最近の輸送コストの上昇が一服したことも、状況改善に繋がっています。バルチック海運指数は大幅に下落し、中国からのコンテナ輸送コストも安定していることから、サプライチェーンの混乱に改善の兆しが見られます。

総じて、現段階では、株式市場は非常に魅力的とは判断できません。エネルギー危機に改善の兆しが見られ、輸送コストの同様に改善している模様です。しかしながら、市場は、明日のFOMC政策会合で発表されるテーパリング時期で、今後の見通しを判断する必要があります。

豪中銀の見解で豪ドル下落

本日、オーストラリア準備銀行は、翌年の数回の利上げは非現実的であるとの見方を示しました。イールドカーブコントロールには着手されなかったものの、2024年までの利上げの余地は残されました。オーストラリア準備銀行の発表を受けて、豪ドルは下落しました。

ロウ総裁は、2023年までの据え置き方針を明確に示し、市場は最近のインフレ上昇に過剰反応している傾向があるとの見解を示しました。市場では2022年での4回の利上げが予想されていた為、豪ドルに調整の動きを引き起こしました。

豪ドルを取り巻くリスクは、下振れ傾向にあります。ロウ総裁の明確な見解にもかかわらず、市場は依然として2022年の3回の利上げを予想しています。ロックダウンが解除されたばかりで、中国経済減速の影響を受ける豪経済の状況を鑑みると、現実的には見えないでしょう。

円上昇、FOMCと英中銀の政策会合に注目

外国為替市場は、円が大きく上昇しました。日銀のイールドカーブコントロール政策により、円相場の動きは、海外の国債利回りの動きに影響を受けます。世界的に国債利回りが低下し、金利差が縮小すると、円の上昇に繋がります。

エネルギー価格、及びサプライチェーンの混乱は、インフレ上昇見通しと国債利回りの動きだけでなく、円相場にも影響します。

明日のFOMC政策会合、及び木曜日のイングランド銀行の政策会合を控え、米ドルとポンドは比較的安定推移しています。イングランド銀行の政策会合では、利上げ決定、及びメンバー内の利上げへの意見の相違が注目されるでしょう。FOMC政策会合では、翌年夏の利上げ観測が後退した場合、テーパリングのプロセスが前倒しされる可能性があり、市場の注目が集まるでしょう。

今週木曜日にOPEC会合を控え、原油価格の動きに注目が集まります。原油価格上昇に対応する為、OPECには増産への政治的圧力が強まっています。OPECが増産を決定した場合でも、緩やかな増産に過ぎないでしょう。OPECの予想は翌年の供給過多を示しており、現段階での大幅な増産は供給過多のリスクに繋がります。