デイリーマーケットコメントーインフレ上昇で利上げ観測再度上昇、米ドル一段高

投稿日: 2021年11月11日20時12分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 10月消費者物価指数上昇、米利上げ観測再度上昇
  • 米ドルは対ユーロとポンドで今年最高値更新
  • 株高の勢い失速、インフレヘッジでゴールド上昇

米利上げ観測再度上昇

昨日、米インフレの加速によるショックが世界市場に波及しました。米10月消費者物価指数は前月比6.2%増となり、市場予想を上回りました。エネルギー価格、及び中古車販売価格上昇がインフレを押し上げました。更に、家賃、及び医療費にも上昇が見られ、インフレが広範囲に及んでいることが浮き彫りになりました。

FRBによる早期利上げ観測を背景に、米ドル、国債利回り、及びインフレ見通しが上昇しました。現在、市場は翌年に2回の利上げ予想しており、3回目の利上げの可能性は50%となっています。30年債入札の不調な結果も、利上げ観測上昇に繋がりました。

インフレ上昇に対応する為に、FRBが今後数か月以内にテーパリングのスピードを加速する可能性、更には翌年夏の利上げの可能性に市場は注目するでしょう。FRBによる金融引き締め観測が上昇した場合、米ドル高の流れも強まるでしょう。

ユーロとポンド下落、株価も下落

外国為替市場では、米ドル高の流れによる打撃を最も受けた通貨は、ユーロとポンドでした。ユーロ/ドル、及びポンド/ドルは、今年最安値まで急落しました。特にポンドは、リスクムード悪化と米ドル高の2つリスクにさらされました。

英国のEU離脱を巡るリスクの再燃、及び翌年英4回の利上げ観測により、ポンドが落胆に直面する可能性は十分にあります。

株式市場は、米10月消費者物価指数の強い結果に比較的冷静に反応したものの、30年債入札の不調な結果が懸念を強め、国債利回りが上昇しました。

中国当局が不動産市場の投機やレバレッジ抑制に向けた政策を緩和し始めたことが好感され、本日の市場ムードは改善しました。

ゴールド上昇

昨日、最も大きな動きを見せたのはゴールドでした。FRBの早期利上げ観測により、米ドルと国債利回りは上昇し、ゴールドは下落していました。しかしながら、昨日には今までの取引パターンが変わり、米ドルと国債利回りと共に、ゴールドも上昇しました。

今回のゴールド上昇の要因として考えられるのは、インフレ上昇のヘッジとしてのゴールド需要増加でしょう。より具体的には、国債利回りが最低水準に低下することでゴールドは恩恵を受けます。インフレ上昇時には投資家は国債購入でヘッジする為、国債利回りは低下し、ゴールドが上昇しました。

コモディティ市場では、昨日に原油価格が急落し、今週の上昇幅の全てを失いました。原油在庫増加、FRBの早期金融引き締めによる経済回復鈍化への懸念、米政府による原油備蓄放出の可能性等が原油価格下落に繋がったようです。

本日は、ベテランデーの祝日により、米債券市場は閉場となっていますが、米株式市場は開場します。