デイリーマーケットコメントー国債利回り上昇で株価下落、ポンドは若干回復

投稿日: 2021年11月16日20時14分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • インフレ懸念で国債利回りが上昇し、株価下落;米10月小売売上高に注目
  • 米中首脳会談では目新しい材料はなかったものの、緊張緩和で人民元上昇
  • 金融政策によりユーロとポンドは真逆の方向に進み、米ドルは底堅く推移

市場の流れは、依然としてインフレ動向

世界の中央銀行の利上げ時期に市場の関心が集まる中、インフレ上昇を取り巻く不透明感が市場ムードを後退させています。昨日に発表された米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数の市場予想を上回る結果は、長期化するサプライチェーンの混乱、及びコスト上昇を浮き彫りにし、利回りを上昇させています。

米10年債利回りは過去3週間で最高水準となる1.6%を上回り、米ドル高の追い風となりました。

しかしながら、米10年債利回りの1.6%越えは、米株式市場にはマイナス要因となり、選手の安値から回復幅を失いました。S&P 500は横ばい推移で引け、欧州株式市場開始時のEミニ先物指数は、若干下落しました。

本日の株式市場は方向性が定まらない展開となっていますが、本日後半に発表される米10月小売売上高は市場を動かすでしょう。本日の米株式市場開始前には、ウォールマート、及びホームデポの四半期決算が発表され、市場の関心を集めるでしょう。

米中間の緊張緩和、FRB議長人事に注目

米中間の緊張緩和により、市場全体のムードは若干改善しました。昨日、市場が注目する中、米中首脳会談では、2国間協力の強化を強調したに過ぎず、目新しい材料はありませんでした。

関係安定やよりよい通商関係への期待は、人民元を5か月半ぶり高値まで押し上げました。

株価は最近の上昇勢いを維持できず、金融政策の見通しが一段と明確にならない限り、株価は回復しないでしょう。FRBはテーパリング加速の兆しを示していませんが、可能性は残されています。

本日には、複数のFRBメンバーの発言が予定されており、インフレ見通しへの見解を見極める為、市場の注目を集めるでしょう。

FRBは、政策変更前に市場に知らせる傾向がある為、直ぐに政策が変更される公算は小さいでしょう。しかしながら、パウエル議長の再任の不透明感は継続しています。バイデン大統領がブレイナード専務理事を指名した場合、ブレイナード専務理事はパウエル議長よりもハト派寄りの為、国債利回りと米ドルは若干低下するでしょう。

中央銀行総裁の発言で、ポンド、ユーロ、及び豪ドルに動き

イングランド銀行、ECB,及びオーストラリア準備銀行の政策にも注目が集まり、通貨市場にも動きがありました。

昨日、ラガルド総裁が2022年の利上げの可能性は「極めて低い」と発言し、ユーロ圏経済の回復に影響する可能性に注意を促したため、ユーロ/ドルが16か月ぶり安値1.1354ドルまで急落しました。

オーストラリア準備銀行のロウ総裁が「最近の経済指標、及び予想から判断すると、2022年の利上げの可能性は不確実である」と発言し、豪ドル/ドルは0.7340ドル付近まで下落しました。利上げの条件である賃金上昇の明確な兆しがない中、オーストラリア準備銀行は利上げについて最近は言及していませんでした。しかしながら、市場は翌年の利上げを以前として予想している為、豪ドルは僅かな下落に留まりました。

一方、昨日、イングランド銀行のベイリー総裁は、インフレ上昇について「非常に懸念される」と発言し、利上げ観測を上昇させました。12月の政策会合での利上げの可能性が浮上し、現在は60%以上となっています。

ベイリー総裁の発言により、ポンドは急騰し、本日最も堅調推移している通貨となっています。ポンドは対米ドルで0.3%値上がりし、対ユーロで0.4%値上がりしました。

米ドルインデックスは、昨日に12か月ぶり高水準を記録し、本日も昨日の水準を維持しています。