デイリーマーケットコメントー見通し悪化でユーロ下落、インフレ上昇でポンド高

投稿日: 2021年11月18日20時30分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • ECBのハト派的見解、及び懸念材料により、ユーロは一段安
  • 10月消費者物価指数が4%越えで、ポンド上昇
  • 米経済指標の強い結果で、米ドル高継続

ユーロは一段安

ユーロ圏見通し悪化が材料視され、ユーロの下落幅が拡大しています。本日には、2020年7月以来初めてユーロ/ドルが1.31ドル台を割り込みました。先週の米消費者物価指数の強い結果で米ドル高が加速して以来、ユーロの上値が重い展開が継続しています。ユーロは、昨日のラガルド総裁の発言までは、安定して推移していました。

ラガルド総裁は、直近のECB政策会合でのフォワードガイダンスの内容を繰り返したに過ぎませんでした。金融市場はラガルド総裁の発言に殆ど反応しませんでしたが、通貨トレーダーの中には再考の動きも見られます。最近の経済指標では、米国は欧州よりも強い結果となっています。更に、インフレ上昇は、ユーロ圏よりも英国で急速に進んでいます。

懸念されることは、経済指標の脆弱な結果は、欧州内での新規感染者数増加による規制強化が開始される前の結果であることです。ドイツ政府も規制強化を検討し始めています。

投資家の懸念材料となっている別の要因もあります。ドイツは、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン、「ノルド・ストリーム2」承認手続きの一時停止を発表しました。ガス供給への懸念が浮上し、欧州の天然ガス先物指数は再び上昇しました。原油価格が上昇し、冬に向けて気温が低下し始める中、欧州のエネルギー事情は悪化するでしょう。ドイツ側の規制、或いはベラルーシ国境の暴動は、ロシアの供給には影響していないようです。

本日前半に1.1262ドルまで急落したユーロ/ドルは、本日には1.1315ドル付近まで回復しました。ユーロは、対ポンドでは21か月ぶりの安値0.8389ポンド、対スイスフランでは18か月ぶりの安値1.0507スイスフランまで急落しました。

英消費者物価指数の強い結果で、12月利上げ観測上昇

英10月消費者物価指数は前月比4.2%増となり、市場予想の前月比3.9%増を上回りました。昨日には、英雇用統計が発表され、雇用状況の改善が明らかになったばかりです。労働市場の回復により、イングランド銀行の利上げ条件は揃いつつあります。

インフレ上昇、及び雇用増加は経済過熱の典型的な兆候と見なされます。しかしながら、インフレ上昇要因が過剰な需要ではなく、供給問題の場合、早期利上げは英経済に悪影響を及ぼす可能性が危惧されます。

今週、イングランド銀行のベイリー総裁は、インフレ上昇に懸念を示しており、12月利上げの可能性が浮上しています。本日のポンド/ドルは、1.3430ドル付近まで上昇しました。

米小売売上高の強い結果で、米ドル高継続

本日、米ドルインデックスは96台を超え、16か月ぶり高水準を記録しました。昨日の米10月小売売上高の強い結果は、第4四半期の順調な経済回復見通しを強めました。

セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派的発言を受け、国債利回りも上昇しました。ブラード総裁総裁は、翌年度に投票権を持つFOMCメンバーです。

通貨市場では、NZドルは昨日の下落を若干回復したものの、豪ドルは一段と下落しました。豪賃金上昇率の弱い結果を受けて、豪ドルは対米ドルで1か月ぶり安値まで下落しました。豪第3四半期賃金指数は、2.2%増加したものの、早期利上げ条件としては不十分とみなされました。

本日に、カナダ10月消費者物価指数の発表を控え、カナダドルも上値の重い展開となっています。カナダ10月消費者物価指数は、前年同月比約5%増となる見通しです。カナダ中央銀行が2022年前半の利上げの可能性は引くと示唆した為、消費者物価指数が予想を上回る結果となっても、カナダドルが急騰する可能性は低いでしょう。