デイリーマーケットコメントーテーパリングのペース加速見通し、米ドル全面高

投稿日: 2021年11月25日20時21分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米雇用統計の強い結果とテーパリングのペース加速見通しで、米ドル一段高
  • 経済成長リスクでユーロ下落、株価は回復
  • 米国の感謝祭の祝日により、市場の流動性低下

テーパリングのペース加速見通し

FRBによるテーパリングのペース加速が債券市場で織り込まれる中、外国為替市場では米ドル高が継続しています。昨日に発表された米経済指標は、米経済の堅調な回復を裏付ける結果でした。特に労働市場の指標が強い結果となり、米失業保険継続受給者数は、過去50年で最低水準となりました。

労働市場の見通しが明るくなるにつれ、テーパリングのペース加速を示唆するFRBメンバーも増え始めました。昨日、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、テーパリングのペース加速のメリットについて言及しました。通常、デイリー総裁は慎重姿勢を維持する為、FOMC内でコンセンサスに達している可能性を示しています。

したがって、12月のFOMC政策会合でテーパリングのペース加速が決定される公算は大きいでしょう。最近のFOMC議事録では、複数のメンバーが既にテーパリングのペース加速を支持したことが明らかになっています。更に、前回のFOMC政策会合から、インフレは一段と上昇しています。

ユーロ下落、株価回復

テーパリングのペース加速を織り込み、短期国債利回りが一段と上昇し、米ドルは対ユーロ、円、及びポンドで高値を更新しました。インフレ懸念の若干の後退により、長期国債利回りは低下しました。

国債利回りが低下すると、当然ながら円も低下します。日銀のイールドカーブコントロールにより、海外の国債利回りが上昇すると、円との金利差も拡大します。

ユーロも下落しています。ドイツではロックダウンがいつ実施されてもおかしくない状況となっており、欧州全体の規制強化により、欧州経済の見通しも悪化しています。エネルギー価格高騰も消費者への負担となり、中国経済鈍化も輸出の重要に影響しています。

株価回復

感謝祭の休暇前の最後の取引日となった昨日の米株式市場は、荒い値動きの後、引けました。短期国債利回りが米ドル高の流れを加速させた一方、長期国債利回りの動きが株式市場に影響しました。

長期国債利回りの低下を受けて、ハイテク株、および成長株が回復しました。本日の米株式市場は

祝日により閉場となり、明日は早めの閉場となります。

多数の米投資家は来週月曜日まで休暇に入る為、市場の流動性も低下するでしょう。したがって、小さなニュースで市場が大きく動く可能性があります。

本日には、複数のECBメンバーによる発言が予定されています。12月の政策会合を控え、GMT17:30のイングランド銀行のベイリー総裁の発言にも注目が集まるでしょう。現在、英利上げの可能性は50%となっています。